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第781話

「違う! 我々は我々の意志で――」 「それならそれで構わない。何にも惑わされていないというのであれば、お前たちは大義という耳障りの良い言葉を掲げただけで、その実はただ戦をし人を殺したかっただけの狂人であるということなのだから」 「違う――ッッ!!」  自分の意思で、大儀なく人を殺したかったのだろう。そう突きつける弥生に浩二郎たちは叫んだ。例えこの手で命を奪ったのだとしても、そこには理由があったのだ。どうしてそれをわかってくれないのかと、子供のように泣きじゃくりそうになる。だがわかってくれと訴えるように顔を上げた瞬間、弥生の瞳にどうしようもない悲しみの色を見て、浩二郎は何かを言いたかったのに、それさえも忘れて唇を震わせた。 「何が違う? 違うのならばなぜ雪也達の命は奪われなければならなかった? 私を止めるため? ならば何のために私を止めなければならなかったのか」  先程と同じ問いを弥生は繰り返した。なぜ、と。 「大儀などというご立派な言葉に逃げるな。よく考えろ」  お前たちの中に、本当に答えは存在するのかを。

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