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第816話

「大丈夫、髪が乱れようが服が皺くちゃだろうが弥生はカッコいいよ」 「それは疑っていないが、だからといって整えないわけにもいくまい」  平然として返せば、反対側の隣からクツクツと押し殺せていない笑い声が響いた。 「全肯定の優もどうかとは思うけどよ、弥生も弥生で否定してねぇところが強ぇな」  疑ってないって、とケラケラ笑う彼に弥生はツンとそっぽを向く。拗ねたフリをしたところで、それは〝フリ〟であることを両隣にいる彼らは知っているので、片方は微笑ましい笑みを浮かべ続け、もう片方は笑い続けた。

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