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第21話
「俺たちもさっき来たところ。入口で弥生先輩と優先輩に会ったんだ」
だから本当に数分の差だと言う由弦に、雪也と周も頷く。
「そう焦らなくても良いから、紫呉も買ってこい」
でないと売り切れてしまうぞ、と弥生に言われ、紫呉は先程とは別の意味で慌てながら食券を買いに行った。
何もしなくても腹の減る年頃だ。良いものや量の多いものはすぐに売り切れてしまう。大丈夫だろうかとヒヤヒヤした紫呉であったが、残り二つとなっていた焼肉定食を無事に買い、チラチラと異様に視線を向けられている席へ戻った。
「悪い、遅くなったな」
軽く謝ってトレーを置き弥生の隣に座る。正面には由弦が座っていた。
「いただきます」
ほぼ重なるように皆が手を合わせる。紫呉たちは箸に、由弦と周は重箱のおにぎりに手を伸ばした。ボンヤリとしている雪也には周がおにぎりを渡している。周りで小さな黄色い悲鳴が聞こえた。
私用でバタバタしておりまして、もしかしたら明日だけ更新お休みするかもしれません。申し訳ないです(汗)
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