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第69話
「それってさ、半分諦めてるっていうか、うーん、なんて言うんだろ。百パーハッピーエンドじゃなくても良いって、思ってんじゃないかなって」
それは本当にハッピーエンドと言えるのだろうか、と由弦は弄っていたチョコレートの袋を開けることなく横に避けると、再びテーブルに突っ伏した。その様子にもう一度蒼と湊は顔を見合わせる。
「まぁ、その、完全にわかるわけじゃないんだけど、先輩は諦めてるわけじゃないんじゃないかな~」
「俺もそう思う。そりゃ、先輩だって色々考えてはいるだろうけど、今のところ諦めてるって感じじゃないし」
だって諦めているなら、あれほど由弦に構ったりしないだろう。
「本当にそう思うか?」
顔すら上げることなくボソボソと言う由弦に、蒼と湊は揃って「うん」と頷いた。その迷いの無さに由弦はほんの少し顔を動かしてチラと二人を見上げる。
「なら、良いんだけど」
深い深いため息をついて、由弦はノロノロと身体を起こすと、ようやくレポートに手を付け始めた。その様子を蒼と湊が微笑ましく、サクラは呆れたと言わんばかりに息をついて見守っている。
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