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第155話
「面倒臭い思い込みとすれ違いと思いやりという名のトンチキ行動してるのが?」
ズバズバと遠慮なく言う周に弥生はカラカラと笑った。その笑い声は夢にまで届いたのか、雪也もまた笑みを深めている。
「確かに面倒臭いことこの上なかったな。だが周、それができるというのは、今が平和で幸せだからだ」
弥生は手を伸ばし、サラ、と雪也の髪を撫でる。
「良いことじゃないか。誰かが好きだと本気で思って、自分のことをどう思っているのだろうかとか、別の誰かのことが好きなんじゃないだろうかと右往左往して、頭の中をたった一人でいっぱいにして」
そんな姿が見られるなんて、あの頃は思ってもみなかった。
「だからな、周。あれを見ているのは微笑ましかったんだ。お前が言うような優しい理由でもなんでもない」
だから周が何をしようと尚更気にする必要はない。
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