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十七日『漫画週刊誌の日』

「ただいま……ハル?」  返事はなく、リビングには床に投げ出された足だけが見えた。ふわふわのラグの上、晴日は読みかけの漫画を開いたまま胸にのせて気持ちよさそうに眠っている。 「おーい、風邪ひくぞ」  信周はかがんで晴日を見つめた。起こすつもりで肩に触れた手をそのまま引っ込めて。体の下にそっと腕を差し込むと、晴日が目を覚まさないようにゆっくりと抱き上げ寝室へと運び、ベッドへと寝かせた。

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