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十四日『パートナーデー』

 信周と晴日はベッドの上でゴロゴロしながら思い思いに過ごしている。ふと気づくと、小説を読んでいた信周は、開きっぱなしの本を胸にのせたまま、いつの間にか眠ってしまったようだった。 「ノブくん?」  晴日はスマホゲームをやめて信周を覗き込む。そして何かを思いついたように、突然目を輝かせた。  ――そうだ、ふふふ。  そっと体をすり寄せ、信周を起こさないようにゆっくりと頭を支える。慎重に、慎重に。そしてその下にさっと腕を滑り込ませた。  ――できたぁ、えへへへ。やってみたかったんだぁ、腕枕。  晴日は満足そうに微笑むと、信周の体に腕を回して目をつぶった。

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