大型連休に突入した。｜信周《のぶちか》と｜晴日《はるひ》は大きめの鞄とお土産を持って新幹線に乗りこんだ。 　正月も帰省しない二人がこの時期に揃って帰省するのには理由がある。 　「大学生になったら一人暮らしをするんだ」 　そう言って受験勉強をする信周に、晴日が寂しさから思わず漏らした「ずっと一緒にいたい」。優しく笑った信周が「……俺もだよ」と言って、そっと晴日を抱きしめて受け入れてくれた日。互いに抱いていた互いへの気持ちが実は恋心だったと確信した日。長い長い両片想いが終わって恋人になった日。 　二人は一緒に思い出の場所に帰るのだ。 　 【参照◇一月十六日『ヒーローの日』◇二月七日『ふるさとの日』】