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二日『緑茶の日』

 スマホを片手にフローリングに転がって寝落ちしそうになっていた晴日に母親が声をかけた。 「晴日、掃除するからそこどいてちょうだい。もう……」 「……ん」と起き上がった晴日はきょろきょろと周りを見回す。ここは実家だ。母の小言に動じることなく、晴日はのそのそと起き上がる。   「あんた向こうではちゃんとやってるんでしょうね? こんなことじゃ信周くんに申し訳ないわ」 「……大丈夫だよぉ」  ――だってノブくん優しいもん。  掃除を終えると、今度はダイニングでくつろぐ晴日に、母親はお茶を淹れてくれた。急須で入れた緑茶を飲むのは久し振りだ。やっぱり実家はほっとする。  でも。  ――ノブくん何してるかな……。    ほっとすると同時に急に信周が恋しくなって、晴日は揺れるお茶の表面を見つめた。

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