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九日『アイスクリームの日』
「ハル、それ一口ちょうだい」
「えっ」
買ったばかりのストロベリーミルクとクッキー&クリームのダブルアイスを手にご機嫌だった晴日は、途端にしゅんと悲しい表情になった。
「やだよ、食べたいならノブくんも自分の分買ってきてよ」
以前に一口ちょうだいと言われて、半分ほど食べられてしまったことを思い出す。「覚えてるんだからね」と晴日はアイスを信周から遠ざける。
「何だよ、ハルのケチ」
文句を言いながら信周はアイスを買いに向かった。戻って来た信周の手にはしっかりとダブルアイスが握られている。信周のチョイスはラムレーズンとチョコレート。晴日とシェアしながら食べるつもりだ。
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