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十四日『温度計の日』

 夜中に毛布からはみ出していたらしい。肌寒さに目を覚ました晴日は、ぶるっと震えて毛布を引っ張り上げた。その弾みで信周もうっすらと目を開ける。 「……うわ、ハルの手冷たいな」  そっと晴日の手に触れた信周が驚いた。 「おいで、温めてやるよ」 「ふあぁ、ノブくんあったかぁい」  布団の中でぎゅっと抱き合うと、二人の体温がゆっくりと混ざり合っていった。

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