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十六日『旅の日』

 マンションの近くの公園を散歩する。手を繋いで、ゆっくりと。こんなにもすがすがしい天気だというのに、晴日はずっと俯いて歩いている。  だって、足元には新しいお揃いのスニーカー。ふと顔を上げた晴日と信周の目が合う。 「えへへへ」 「どうした?」 「何でもない、ふふ」  晴日が笑うと、信周もちらりと足元に視線を落として照れ笑いした。   【参照◇十三日『信周の誕生日』】

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