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二十七日『百人一首の日』

 起きようとする信周に晴日が無意識にぎゅっと抱き付いてくる。信周は晴日に向き直り、優しくその髪を撫でた。  ――ああ、ずっとハルとこうしていられたらいいのに。  でも。  ゆっくりはしていられない。今日は大事なプレゼンがあるのだ。眠る晴日を引きはがし、信周はそっとベッドを下りた。 【参照◇百人一首より、藤原道信『明けぬれば暮るるものとは知りながら猶恨めしき朝ぼらけかな』】

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