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二十九日『呉服の日』
脱衣所にぽいっと脱がれた晴日の服はまだほんのり煙の香りが残っている。信周は昨日の花火を思い出しながらそれを拾い上げると洗濯機に放り込んだ。
――花火大会、行きたいなあ。一緒に浴衣着るか。
もうすでに信周の頭の中は浴衣姿の晴日でいっぱいだ。
――ああ、脱がしてえ……。
妄想の中では浴衣をみだらにはだけさせた晴日が恥じらいながら信周を見つめている。
【参照◇五月二十八日『花火の日』】
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