160 / 368

八日『ルンバの日』

「ねえ、ノブくん。ルンバ買おうよぉ」 「たったの1LDKだぜ? 必要なくない?」 「だってぇ、俺たちがいない間に掃除してくれるんだよ?」 「ハルが掃除機したくないだけだろ?」 「違うもん、いや、そうだけど……」 「大体さ、こんなに散らかしておいてルンバ? ハルはさ、まず床に物を散らかさないこと。食い終わったゴミはゴミ箱、脱いだ服は脱衣所、あとなんだよ、なんで玄関にパンツ落ちてんの……」 「分かったよ、分かったから、すぐに片付けるからぁ……」    信周の説教が止まらない。だらしないままじゃだめだと思いつつ、でも苦手なことはやっぱり苦手。耳が痛い。晴日は逃げるように、慌てて散らかしたモノを拾い集めた。

ともだちにシェアしよう!