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九日『無垢の日』

 晴日が寝入ったのを確かめて、信周は仕事用の鞄の中から小さな段ボールを取り出した。晴日のために、という名目でこっそり注文していた涼しい服が届いたのである。中身を確認し、広げてみる。大きめのクッションを持ってきて、実践も忘れずに。    ――ふうん、なかなかよさげじゃん。    クッションがまとっているもの。何とも涼し気なその服は、拘束に特化したボンテージハーネス。    ――今度裸でうろうろしてたら、こいつで……。    信周の企みを知らない晴日は隣でスースーと寝息を立てている。信周はその無垢な寝顔をそっと撫でた。     【参照◇六月一日『衣替えの日』】

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