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十一日『傘の日』

 晴日は急に降りだした雨の中を走っていた。近くの喫茶店で休んでいるという信周のために傘を持って。コーヒーを飲んでいた信周は、晴日を見つけると手を振って合図する。 「ありがとな」 「んへへ」 「何か食ってく?」 「うん、やったぁ」    信周がメニューを差し出すと、晴日は大喜びでパフェのページを開いた。

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