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十二日『日記の日』

 信周は今日も小説を読んでいるらしい。晴日は邪魔をしないようにそっと後ろから覗き込んだ。目に飛び込んできたのはどこかで見たような、ポエム。その途端、晴日の悲鳴にも近い大声が響いた。 「やだぁ! ノブくん、何でそれ見てんの? 返してっ」  晴日は信周にとびかかると、素早くそれを奪い取った。 「だってそれ、ここに置いてあったぜ。ごめん、勝手に見て……っ、ハル?」  晴日の剣幕に驚いて信周はそろそろと立ち上がる。  実家から持ち帰った恥ずかしい日記帳。昨日持ち出して眺めた後、隠し忘れていた。まさか信周に見られるなんて。晴日は涙目になって寝室へ飛び込むと、ドアを勢いよく閉め、頭から布団を被った。片付けが苦手な自分を呪いたかった。慌てて追いかけてきた信周は、どうしたものかと部屋の入り口で立ち尽くしている。   【参照◇五月三日『掃除の日』】

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