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二十二日『かにの日』
信周と晴日が並んで水槽を覗き込んでいた。普段は見向きもしない信周まで、今日は晴日と一緒になって目を輝かせている。
「すげーな、こんなの初めて見た」
「可愛いねぇ、赤ちゃん何食べるんだろう」
「大人と一緒でいいんじゃない?」
「そうかなぁ、じゃあ小っちゃくしてあげなきゃ」
一匹のカニのお腹の下。たくさんの小さな子ガニがびっしりと張り付いている。最近少しだけ寂しくなっていた水槽が、また賑やかになりそうだ。
【参照◇六月五日『ろうごの日』】
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