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◆七月◆一日『海開き』
「ノブくん、俺も海行きたい」
汗だくで帰宅した信周がシャワーを終えると、晴日が待ち構えていたかのようにテレビを指さして言った。連日の猛暑日、海水浴を楽しむ人々が映っている。
「海かあ、いいね。週末、ハル空いてる?」
「俺? 俺はいつでも大丈夫」
「よし、じゃあ……明後日、どう?」
「えっ明後日?」
思いがけない提案に、晴日は目を輝かせた。
「やったぁ、海だぁ」
子どものようにぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶ晴日、一方の信周は晴日に着せる新しい水着のことで頭が一杯になっている。
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