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二日『うどんの日』
「……は? マジ?」
目の前突然現れた、尻。信周がビジネスバッグをごとりと床に落とした音がしんとしたキッチンに響いた。エプロン|だ《・》|け《・》を身に着けた晴日が慌てて振り返る。
「あ、おかえり……えと、だ、だって、この前ノブくん言ってたし……うどん、できてるよ……ふぇ?」
暑さも疲れも一気に吹き飛んだ信周は、無言で晴日を抱きしめた。そのままそっと抱き上げるとまっすぐ寝室へ向かう。
すっかり夜も遅くなってから。キッチンに出てきた信周は伸びきったうどんを温めなおすと、二人分の丼を寝室へと運んで行った。
参照◇六月三十日『ハーフタイム・デー』
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