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二十三日『文月ふみの日』

 夏休みになった晴日は一日中アルバイトだ。休日の信周が昼近くになってようやく起きてきたとき、晴日はもう家を出ていた。    『ノブくんへ♡♡   朝ごはん食べてね♡♡♡バイト行ってくるね♡♡♡♡♡』    信周はテーブルの上に♡だらけの置手紙を見つけると、へにゃっと頬をゆるませた。さっそく冷蔵庫を覗くと、ふわっとラップのかかったオムレツにもケチャップで♡が描いてある。

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