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二十四日『劇画の日』
「何これ、すっごぉ」
朝早く、テーブルの上に置手紙を見つけた晴日は興奮して思わず声をあげた。
昨日、一人で暇を持て余していた信周が時間をかけて描いた二人の似顔絵。昨日の置手紙の返事だ。写真でも見て描いたのだろうか、ボールペンで描かれた劇画調のその似顔絵はやたらリアルで、晴日は顔に近付けてまじまじと見つめる。
信周はまだ寝ている。晴日は大事そうに似顔絵を財布に入れると、今日も信周の分も朝ごはんを準備して、バイトへ向かった。
【参照◇七月二十三日『文月ふみの日』】
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