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二十五日『かき氷の日』
久し振りにやって来たその喫茶店では、かき氷が始まっていた。入口の金木犀は青々とした葉っぱを茂らせている。
「うわぁ、ふわふわぁ。ひんやりしてて美味しいねぇ」
「ハル、俺の一口食べてみて」
「え、苦っ。でもゼリーも美味しい」
信周のコーヒー氷にはコーヒーゼリーとたっぷりの練乳がかかっている。
「ノブくんも俺の食べてみてよ。はい、あーん」
「んー美味い、夏だなあ」
晴日のマンゴー氷には果肉と濃厚なソース、そしてさくらんぼがちょこんと添えられている。
【参照◇四月十三日『喫茶店の日』】
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