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三十一日『ビーチの日』

 麦わら帽子をばっちりかぶって、日焼け止めをまんべんなく塗って。信周と晴日はビーチを歩く。 「あっ、カニ!」  立ち止まった晴日の足元を小さなカニがカサカサと走っていく。カニはあっという間に砂浜に空いた穴に潜っていった。 「カニ、いたねぇ」 「うん、いたな」  晴日が目をきらきらさせて信周を見上げると、信周も晴日を見つめて楽しそうに笑った。

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