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◆九月◆一日『だじゃれの日』

 清々しい青空、雲一つない良い天気。 「あっ」  突然の風にあおられてつい手を放してしまった。ベランダから落ちた布団は誰もいない駐輪場のわきのフェンスに引っかかっている。   「はっ、マジかよ」 「ほんとに吹っ飛んだねぇ」  信周と晴日は顔を見合わせてくすくすと笑いだす。   「仕方ねえな、取りに行こうぜ」 「うんっ」  二人は大笑いしながら競うように外へ飛び出した。  

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