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六日『黒の日』

 ――あれ、ノブくんまた白髪……。  早くに目覚めた晴日は、信周の頭に白髪を見つけた。それも数本ではない。以前、信周が白髪を気にして全部切ってしまったことを思い出し、晴日はふむと考える。  ――そうだ、いいこと思いついた。  ぴょんとベッドを飛び降りると、晴日は油性マジックを持ってきた。信周を起こさないようにそっと一本ずつ黒く塗る。     【参照◇八月三日『ハサミの日』】

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