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二十三日『夕陽の日』

 スーパーで一緒に買い物したあと、大量の荷物を二人で手分けして持っていた。重たいのに、信周の前を晴日は飛び跳ねるように歩いていた。ご機嫌に鼻歌を歌いながら。 「ハル」 「ん、何? あっ」    くるりと振り返った晴日がバランスを崩した。頬が夕日に照らされて真っ赤に染まっている。 「あぁあ、落ちちゃった」  どうやら白線だけを踏んでいたらしい。   「なに?」 「あ、それ、一袋持ってやろうかと思って。なんか飛んだり跳ねたり重そうだなって」  晴日は「えー?」と言って笑う。 「このくらい持てるよ、ありがと」    そしてまた、白線だけを踏んでぴょんぴょんと歩き始める。

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