282 / 368
八日『木の日』
「あれ?」
いつもの公園を歩いていると、晴日が立ち止まった。桜並木の中に一本だけ、ぽつぽつと花を咲かせている木がある。
「かわいい」
晴日は嬉しそうに木に近付いた。
「あわてんぼうの木だねぇ」
「うん、そうだな」
二人で桜を眺める。好きなときに、好きなように咲けばいい。少し間違えたって、こんなにも綺麗なのだから。夕焼けに雲が映えてピンクに色づいている。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
282 / 368
ともだちにシェアしよう!