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十九日『レッカーの日』

「ノブくん? 大丈夫?」  珍しく信周が床で寝落ちしている。疲れているのだろうか。起きる気配がない。   「ねぇ、風邪ひくってばぁ」  晴日は信周の両足を掴んで引きずろうとするが、びくともしない。 「重いっ、もう知らない」  晴日はあきらめて毛布をとってくると、そっと信周の体にかけてやった。

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