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二十二日『アニメの日』
「ハル、爪切り知らない?」
返事がない。晴日はアニメ映画のロードショーに夢中だ。
「なあ、ハル? 爪切り使ったろ?」
やはり返事がない。信周は探す手をの止めて、晴日の肩を後ろから揺すった。ハッと振り返った晴日と目が合い、信周は一瞬ぎょっと固まった。
「え、なに? 泣いてんの?」
「う……うぅ、パトラッシュ……」
信周が黙ってティッシュを差し出すと、晴日はずびずびと音を立てて鼻をかむ。爪切りの行方は映画が終わるまでお預けだ。信周は晴日の隣に座って、一緒にクライマックスを見る。
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