317 / 368
十一日『おそろいの日』
待ちに待ったバースデー旅行、初日。午前中に一限だけある講義は上の空だった。大学を出た晴日はまっすぐに駅へと向かう。
リュックを背負った信周が手を振っていた。色違いのスニーカーに、互いに色味を合わせたシミラールック。
「ハル、学校お疲れ」
「お待たせ、ノブくん。早く行こ」
晴日は信周の手を引っ張り、ぴょんぴょんと飛び跳ねるようにして改札を目指す。
信周が大きな旅館を予約してくれた。今日はゆっくり食事をして、温泉を楽しむ。もう、わくわくがとまらない。
【参照◇十一月十日『いい音の日』】
ともだちにシェアしよう!