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二十四日『クリスマス・イヴ』

 夜中にごそごそと起き出す。間接照明のついた寝室はぽうっと薄明るい。いつの間に置いたのか、自分の枕元にラッピングされた包みがあるのを見て、信周は思わず頬を緩めた。腕を伸ばし、ベッドの下に隠しておいた紙袋を引っ張り出すと、信周もそれを晴日の枕元に置く。お互いにこっそり準備したささやかなプレゼント。寝返りをうったサンタクロースを、もう一人のサンタクロースの腕がそっと受け止めた。

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