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第2話 性奴隷宣言②(大スカ)※
「おっ、お願いしますっ……! な――なんでもしますから――どうか当社にご融資をっ――お願いしますッ!」
小学生のときからどんな厳しい練習も耐え抜いてきた。
瀬名の根性と、仲間思いの精神はハンパなかった。
三つ指を突いて土下座する瀬名を5人の男たちが取り囲む。
ニップルクリップを穿たれた乳首のチェーン。
むりやり飲まされたエクスタシー薬のせいで、ビクンッ、ビクンッ、と青筋を立て勃起し続ける、縄で根もとを縛られたチンポ。
丸見えになった尻穴は、パクパクと金魚の口のように動いている。
「なんでも……ねぇ――」
鞭で、そのアナルの入り口をぐいっと横に抉じ開けた男が、
「だったら屁こいてみせな」
思いがけない命令をする。
「えっ……!?」
「なんでもするんだろう? だったらここでブーッと屁をしてみろ。もしかしたらケツのなかに何か隠してるかもしれないからな」
「そ……そんな――」
「できないのか。だったら融資は――」
「いっ……いえっ……! しますっ! 屁ッ、こかせていただきますッ……!」
手を前に突き、尻を突き出し、カエルのように大股にふんばった瀬名は、
「……せ――性奴隷ッ……瀬名弦希 ッ! ただいまから忠誠の屁をこかせていただきますぅっ! どっ、どうか、ケツ穴からクッソ恥ずかしい屁をぶっぱなすところっ! じっくりお聞きくださいませぇッ!」
命じられた口上を顔を真っ赤にして述べる。
「ははっ、屁で忠誠を誓うのか」
「どんだけ惨めなんだよ」
「早くイケメンの屁聞かせてみな!」
「はっ、はいっ……!」
尻穴に力を込める。
が――見られていると思うと緊張してなかなか出ない。
「ふっ……! うっ……ふっ! くぅっ……!」
プルプルと尻を振る瀬名に、「なんだ、チン媚びダンスかぁ~?」「みっともねぇ。タマはち切れそうなくらい膨れあがってんぞ」男たちはゲラゲラ笑う。
「おっせぇなぁ。あと10秒以内に出さないと融資打ち切りにすんぞ」
「えっ……まっ……!?」
「ほら! 出しやすいよう手伝ってやるから」
T字鞭と2本のバットで、尻たぶをぐいっと抉じ開けられる。
「うっ……ぐぅっ……!」
シワシワのマン襞 に囲まれたアナルがぱかぁっ、と全開になる。
「10……9……8……7……」
「ふっ! ウゥ―――――ッ……ン――――ッ……!」
――プスゥ~というかすれた屁の音が、尻穴から漏れる。
「ん?」
「なんだいまの?」
「……あっ――お――おならです……」
羞恥で顔を真っ赤にした瀬名に、「は?」「ふざけんな」「もっと気合入れてデカい屁しろ!」という罵声が飛ぶ。
「はっ――はいッ……!」
が、その後も、「プッ」「プププッ」という弱々しい屁しか出なかった。
瀬名は元々ひどい便秘症で、あまりガスが出ない体質なのだ。
「ご……ごめんなさい――おれ、あまりでなくて――その……」
便秘を打ち明ける。
「いつからクソしてないんだ」
「お……おととい――です……」
顔を見合わせた男たちは、にっと笑い――「それは大変だ」「奴隷契約の前にすっきりしておかないとな」「おい――浣腸の準備だ」と部下に命じる。
※
――それからしばらくして。
オフィスビル群を見下ろすガラス窓に、透明な養生テープで手足を貼りつけられた瀬名の姿があった。
「アッ……! アァ―――ッ……!」
M字開脚の太腿と足首をテープで括りつけられ、両手首もバンザイした状態でぴったりとテープで固定されている。
「養生テープはなかなか優秀ですなぁ」
「まるでスパイダーマンみたいだ」
「外を見てみろ。歩いてるヤツらが豆粒みたいに小さく見えるぞ」
「まさか50階にこんなバカみたいな格好させられている男がいるなんて夢にも思わないだろうな」
「うっ……! いっ――やぁッ……!」
外を向いていることでよけい恥ずかしさが増す。
乳首のチェーンを肩から背中に通し、チンポの縄も尻のあいだから抜き、ハーネスのように持った男たちは、「ほらっ。きちんと顔上げろ」「これから排泄ショーがはじまりまーす、と楽しそうにいうんだ」と命じる。
「うっ……こ――これから――はいせつショーが……は……はじまります……」
「もっと楽しそうにいうんだよ!」
チェーンと縄を後ろから引っぱられ、
「うぐっ! こっ……これからぁっ――! はっ……排泄ショーがっ、はじまりますぅっ!!!」
瀬名は懸命に声を張り上げる。
「恥ずかしいケツマンコ奴隷のクソ穴から便秘うんこがボトボト出てくるところ、ご覧になってください、だ」
股間の縄でアナルをゴリゴリこすられる。
「うっ……! はっ、恥ずかしい――ケ……ケツマンコ? ……奴隷の穴からうんこが出てくるところっ、見てくださいッ!」
――窓の外を飛んでいくジェット機。
9月の秋晴れの空に、ひこうき雲が鮮やかな白い線を引く。
「便秘うんこだろ、このバカが」
「うっ……便秘うんこっ……出てくるところっ……見てくださぁっ……いっ……」
男たちはゴム手袋を嵌め、ひとりひとつずつ、瀬名の尻穴にイチジク浣腸をひねり込む。
「うっ! うぅ――――ッ……むぅっ……!」
生まれて初めての浣腸に瀬名はブンブン頭を振り、
「いっ! いやっ……! やめてっ……! おなかっ! 苦し――ッ……!」
と泣きわめく。
「うるせぇ、黙れ、肉便器が」
バチンッ、と引き締まった尻たぶを引っぱたかれる。
そのはずみで、アナルから、ブーッ、という大きな屁が漏れる。
「ははっ、元気なガスが出たじゃねぇか」
「よかったな、腸が動いてきたぞ」
「すげーグルグル鳴ってんな」
「もう少しで2日ぶりのうんこが出るぞ」
「うっ……!」
ギュルー、ギュルーッ、と暴れ出した腹に、脂汗が滲み出る。
5つもの浣腸を入れられ終わったころには、臭い屁が止まらなくなっていた。
「まだ出すなよ」
黒いアナルストッパーをねじ込まれ、せきとめられた便意と尻穴の圧迫感に、「うっ……むぅっ!」と白目を剥く。
「奴隷契約書にサインだ」
重役の部下が持ってきた、黒いトレーボックスに入ったボールペンと丸い朱肉インクケースと一枚の紙。
「あ――もっ……申し訳ありませんが……――手がいま使えないので後で……」
「は? 誰が手で書けといった。奴隷契約書はな、チンポで書くんだよ」
「えっ……?」
あぜんとする瀬名のチンポを後ろから握り、鈴口にボールペンを突っ込む。
「ひぃ――――ッッッ……!」
「あー、チンポ汁でベットべトじゃねぇか。――まぁ滑りがよくなってちょうどいいか」
「いっ! いたいっ! いたいっ! いたいれすぅッ……!」
ズブズブと奥まで突っ込まれ、かたちのいい並行線の二重瞼の下の瞳から涙があふれ出る。
プルンップルンッとチンポの先で激しく揺れるボールペン。
「チンポ勃たせながら泣いてんじゃねぇよ、このドヘンタイが」
チンポの先の窓に奴隷契約書を貼りつけた男たちは、「ここにおまえの名前を書け」と命じる。
「うっ……! うぅっ……!」
ピクッ、ピクッとチンポを動かし、名前を書こうとする。
が――どうしても無理だった。
「ご……ごめんなさい……で……できません……」
「だったら契約は無効だな。いますぐ融資を打ち切る連絡をする」
「あっ……そ――それだけは……お願いします――どうかっ……」
アナルストッパーの向こうからせり上がってくる便意をこらえながら、
「どうかっ……おれのチンポ握ってっ……チンポペンでおれの名前を書いてくださいっ」
とっさに口にする。
「はあ?」
「なんだよ、チンポペンって」
どっと湧きあがる嘲笑。
「あっ……」
耳朶まで真っ赤になりながら、「おっ……おれのチンポをペンにして――代理署名してくださらないでしょうか……」瀬名はお願いする。
「しかたねぇな」
「チンポ汁でヌメヌメして書きにくいじゃねえか」
「うっ……ご――ごめんなさいッ……」
男のひとりが、瀬名のチンポを乱暴につかみ、ぐいっと横にひん曲げる。
「ぐっ……!」
「えっと……瀬名――弦希……と。日付も書いておくからな」
「あっ……ありがとうございますっ……」
チンポを動かされるたび、中に入ったボールペンがズキズキ痛む。
「おっと……なんだよ、スケベ汁で日付が滲んじまったじゃねえか」
ボールペンと鈴口のあいだから飛び出したガマン汁で濡れた契約書に舌打ちする男。
「も――申し訳ありませんッ……」
「まったく――次は印鑑だ」
「あ、印鑑ならおれの鞄のなかに――」
「バカ。そんなのいらねーよ。奴隷契約書の印はなぁ、こうすんだよ」
ズブッとボールペンを引き抜き、黒い蓋をとった丸い朱肉インキを、瀬名の亀頭にグリグリこすりつける。
「うっ……!? ぐっ? おぉっ……ンッ……!」
真っ赤に染まったチンポの先。
「ほらっ。チンポ印押せ!」
署名の横に亀頭を押しつけられる。
真ん中の割れた丸いチン拓のような印が、書類に赤く刻まれる。
「あっ……アァッ……!」
ねっとりとしたガマン汁が、細長い糸となって契約書から伸びる。
「ガマン汁とまらねぇな。このドヘンタイめ」
瀬名のチンポをつかんでぶるんっ、と上向かせた男は、「タマ袋も野球のボールみたいに膨らんでるな。もうイきたくてしかたないってか?」
股のあいだから手を入れ、ふたつまとめてモミモミする。
「うっ……! むっ……! うっ! うぅっ――……!」
わきあがる射精感。
だがそれよりも――すでに限界を超えていたのは、アナルのドアを叩き続ける激しい排泄感だった。
「もっ……で――出そう……ですッ……!」
貼り付けにされた手首の先の指をぎゅっと握りしめ、
「お願いです……トイレに――行かせてください……」
と頼みこむ。
「は?」
「何いってるんだ、この奴隷は」
「さっき排泄ショーがはじまりまーす、と自分でいっただろ」
「契約書に書いてあるだろう」
「え……?」
男が指差した部分を目にした瀬名はさっと青ざめる。
『その五 奴隷は主人たちの許可の下 、主人たちに見られながらでしか排泄できない。尚、主人たちの不在時は社内ではオムツを着用し、そのなかに出すこととする』
「おまえがトイレ行くのはなぁ、てめえが出したクソを捨てに行くときだけなんだよ」
瀬名の股の下に、大きなプラスチックバケツがドンッと置かれる。
「安心しろ。仕事中はちゃんとおまるを用意してやる。クソもションベンもそのなかに出せ」
(そ……そんな……)
性奴隷になったら、フェラチオやアナルセックスを強要されるのだろうと覚悟していた。
だがまさかそんな――人間としての尊厳をむしり取られるような、排泄までコントロールされることになるとは夢にも思っていなかった。
「い……いやだ……」
瀬名はガタガタとふるえだす。
「い……いやだっ……そんなの聞いてないッ――……イッ、イヤだぁッ……!」
「あいにくだな。もう契約は成立した」
携帯電話を手にしたボス格らしきスーツの男が近づいてくる。
「さっきおまえのところの社長に電話した。うちの瀬名をよろしくお願いしますと泣きながら喜んでたぞ」
(……社長……)
薄いハゲ頭の、おっとりした社長の笑顔が脳裏に浮かぶ。
「安心しろ。野球の試合のあるときは特別休暇をやる。おまえの仕事は平日の9時から17時まで。土日は野球の練習もできる。3か月間、週に40時間だけ、重役たちの性処理要員になればいい。たったそれだけのことだ」
「40時間……」
それが短いのか長いのか、よくわからなかった。
だが、深く考える余裕もすぐになくなった。
瀬名の後ろに回ったデブ男が、「よーし、無様にクソひねりだせ♡」とアナルストッパーを抜き取ったからだ。
「……ふっ……! うぅっ!」
ブス―ッ! ブブーッ! とせきとめられていたおならが噴出する。
「うっ、くっせ」
鼻をつまんだ男たちがあとずさりする。
「もっ……でっ……でるぅ――――ッ……!」
窓にM字に貼りつけられた脚の、尻の穴から、洪水のように排せつ物がほとばしる。
ボトボトとバケツに落ちていくそれを見た男たちが、「うわっ、きったねぇ」「人生詰んだな、これ」とガムを吐き捨てるようにいう。
「むっ……むふっ……! ウッ――――ッ……!」
やがて、メリメリッ、と尻穴がめくれあがり――奥に溜まっていた固形便が、顔をのぞかせた。
「おっ、便秘うんこか」
スマホのカメラをかまえた重役が、「便秘うんこブリブリする記念写真撮ってやるよ。こっち向いてダブルピースしろ」と命じる。
「うっ……うぅっ……!」
腹が千切れそうなほど痛い。
が、根性を振り絞り、振り返った瀬名は、ふるえる両手の指でピースした。
尻のあいだからムニムニと出てくる便。
「ははっ、クソしながらピースしてやがる!」
「しかも窓に貼りついて。向かいのオフィスの窓開いてるぞ~?」
「誰か見てるかもしれないなぁ」
(やっ……やぁっ……!)
「顔がつまんねぇ。もっと楽しそうに笑え」
「うっ……は……はい……」
引き攣った笑いを浮かべたそのとき――重みに耐えかねた便が、ぼとんっ、と切れて落ちた。
その瞬間を激写した男が、「おー、いい写真が撮れた。この写真、プリントアウトして、おまえのデスクに貼っておいてやるよ」と笑う。
「あっ……ありがとうございっ……ますぅっ……!」
笑顔でダブルピースした瀬名が、ヒクッ、ヒクッ、と尻穴をひくつかせながら礼をいう。
そのときの写真は、のちに年間カレンダーの写真としてカラー印刷され、瀬名のデスクの正面の壁に貼られた。
その日から、瀬名は、M商事株式会社の重役専属の肉便器となった。
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