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第19話 犬の犬②※

 部下がリードを引き連れてきたのは、黒いつやつやした毛並みのドーベルマンだった。  グルルル……と喉もとを鳴らし、瞳をランラン光らせる大型犬。 「これはこれは。だいぶ興奮しているようだな」 「昨日から散歩に連れていっていないようですから。暴れまわりたくてしかたないんでしょう」 「ではまず朝の散歩といきますか」  瀬名のアナルから伸びた麻縄の丸い取っ手をつかんだ重役が、その取っ手にドーベルマンの首輪のリードを結びつける。  リードをきつく団子結びしてから、 「よし。思いきり走り回れ!」  瀬名が座っていた椅子の脚のロックをカチャッと外す。  ダッ、と犬が走り出した瞬間、ガ――ッ、とものすごい勢いで椅子ごと引っぱられた瀬名は、「おっ……! おっ……! ほぉっ……んッ……!」と目ん玉を引ん剝いた。  朝の光の差し込むミーティングルームの窓辺を、犬は、まるで草原を駆け抜けるかのように駆け回る。 「ひっ……! いっ……! いぃ――――ッッ……!」  ガラララーッ、と猛スピードで引きずられる椅子のひじ掛けに大股開きのM字開脚で括りつけられた瀬名は悲鳴を上げる。 (こっ、こっ、怖いっ……!)  黒いアイマスクで目隠しされているぶん、よけい恐怖心が増す。  頭の後ろに回し手枷を嵌められた腕が、ガクガク小刻みにふるえる。  シュコ―ンッ、シュコ―ンッと音を立てて収縮するニップルサッカーに吸われる拡張訓練中の乳首。  ステンレス製の貞操帯でぴっちり覆われたチンポとタマ袋。  あまりの恐怖に、貞操帯の先端に空いた排泄用の穴から、ションベンがこぼれる。  シャーッ、と後ろに飛び散る小便を見た重役たちが、 「あーあー、また漏らしやがった。あのションベンたれが」 「穴という穴を全部塞がないといけませんな」 「おい、尿道プラグを用意しろ」  と部下に命じる。  部下が、先端のリングに鈴と『クソ豚犬』という札のぶら下がった尿道プラグを持ってくる。 「ダメクリチンポはこれで塞いでおけ!」  椅子のキャスターをロックし、貞操帯の穴からプラグを突き刺す重役。 「おっ……! ごっ……! ほぉっ……!」  鋭利なカーブを描くプラグが尿道の奥深く突き刺さり、 「いっ……いたっ……! いたひっ……(痛いっ)! いたいれふぅッ……!」  と瀬名は泣き叫ぶ。 「ションベン漏らしてばかりのおまえが悪いんだ。反省しろ、このバカ犬」  ノーズフックを真上にぐいっと引っぱり上げられ、おっぴろがった鼻の穴から、鼻水が噴き出す。 「きったねぇなぁ」 「よだれもダラダラだ」 「腹に『バカ犬』と書いてやれ」  『豚』とマジックで書かれた腹の横に、『バカ犬』と書かれる。 「『ションベン奴隷』も付け加えてやれ」  臍の下に追加される『ションベン奴隷』の文字。  汚い淫語まみれになった瀬名の腹は、むりやりねじ込まれた巨大な縄のかたまりで妊夫(にんぷ)のように膨れあがっている。 「よーし、お散歩再開だ。がんばれよ、クソ豚犬♡」  カチャッ、と椅子のロックが外され、ふたたび走り出した犬に椅子ごと引きずられる瀬名。  貞操帯から飛び出た尿道プラグについた鈴がリンリンと鳴り、『クソ豚犬』フラッグがたなびく。 「ひっ! いっ……! たっ……たふけて(助けて)っ! たふけてぇっ(助けてぇっ)……!!!」  ガラララーッ! ガラ―ッ!   ノンストップで走る犬のリードにつながったアナルの縄が、ミシッ、ミシッ、ときしむ。  犬の体重でひっぱられた縄が、徐々に前に伸び、ナカに入っていたバレーボール大の大きなかたまりが次第にせり出していく。 「……おっ……! おほっ……!? おぉぉぉッ……んッ……!」  ボコッ、と飛び出したボールに、開口具で開かされた舌を突き出した瀬名は、 「おっ……おまんほっ(おまんこっ)! はけふっ(さけるっ)……!」  と手枷で拘束された腕をギシギシ揺らす。 「そら、ハイジャンプだ!」  重役が、犬の前方に丸いフリスビーを振り上げる。  助走をつけ、大きくジャンプし、フリスビーをキャッチする犬。  瞬間、瀬名のアナルから、バレーボール大の縄のかたまりがブボ――ッ! と飛び出す。  バランスを失った椅子がひっくり返り、瀬名は転倒する。 「ひっ! いっ! ひぃ――――ッ……!」  仰向けでヒクヒクけいれんする瀬名の姿に、 「ははっ、まるでつぶれたヒキガエルみたいだな」 「まだまだ終わらないぞ~」  楽しそうに笑った重役たちは、色とりどりのフリスビーを広いミーティングルームに放つ。  ドッグコンテストに出場したら優勝できそうなくらい見事なジャンプで、次々にフリスビーをキャッチするドーベルマン。  ひっくり返った椅子ごと持ち上げられた瀬名は、床に叩きつけられ、「ぎっ……! ごっ……! ほっ……!」とアイマスクの下で白目を剥く。  アナルの縄の奥――ソフトボール大の縄のこぶが、ジャンプのはずみでボコッ、ボコッ、と押し出され、ついに8つのこぶ全部が外に出て、瀬名のアナルは、くぱぁっ、と丸見えになった。  プピッ、プピッ、とマン屁のようなみっともない音を漏らす、瀬名のおまんこ。   「おいおい、ちゃんとケツ穴締めておけよ!」  革靴の先で瀬名のアナルをほじくる重役。  椅子ごと天井を向いた瀬名のアナルは、極度の拡張に開ききったまま、閉じない。 「すっかりガバマンになっちまったな」 「まぁちょうどいいだろう。おい、そろそろアレを準備しろ」 「はい」  にんまり微笑む重役たちの前に部下が持ってきたのは、透明なペットボトルに入ったメス犬の尿だった。

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