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第32話 ニューヨークの真実④※

 ヒクヒクする瀬名の尻穴の周りの(ひだ)をなぞっていた男が、冴木に「こっちに来い」というように目くばせする。  忍び足で近づく冴木。  瀬名の尻の前に立った冴木に、碧眼ブロンドの外国人がビニール手袋を差し出す。  その手袋を嵌めた冴木は、瀬名の尻穴に、ヌチュッ、と指を突っ込む。 「アッ……!?」  びくんっ、と反り返る瀬名の背中。  冴木は、瀬名の尻穴を、クチュッ、クチュッ、と夢中でほじくる。 「さっ、冴木っ……!? いっ、いったいなにをっ……?」 「ん? なんだKETSUMANKO? おれはなにもしていないぞ」  しらばっくれる冴木。 「……そ? ……そうか――」 「それにしても、知らなかったなぁ。瀬名――いや、KETSUMANKOにこんな趣味があったなんて」  鼻息を荒くした冴木は、瀬名の尻穴を指で犯しながら、 「ステージでもノリノリだったじゃないか。本社に出向して何か目覚めたのか?」  白々しく聞く。 「アッ……うっ、うぅっ……! さっ、冴木ッ――……どうやらおれは――自分が思うよりも変態だったのかもしれないっ……」 「へぇ? どんなふうに?」  両手の指で、瀬名のアナルを大きく拡げる冴木。  じんわり濡れた赤い内襞に、突き出した舌をそろそろと伸ばす。 「うっ……! おっ、おれはっ――恥ずかしいことや痛いことをされると感じてしまってっ……! チッ、チンポがどうしようもなく()ってっ、しまうんだっ……! あっ! ひぃっ! そっ! そんなっ……! そんなことっ! されたらッ!」  チロッ、チロッ、と舌先で瀬名のアナルを舐める。  ああ――  美味しい……これが――瀬名の味か―――― 「むっ……ふっ……ジュブゥッ……!」  ブチュ―ッ、と唇を押し当て、瀬名のアナルを啜りあげる。 「あっ! さっ、冴木ッ! やっ、やぁっ……! だっ、ダメだッ、そんなっ――きっ、汚いところッ……!」 「どうして? ここはKETSUMANKOの顔だろ?」  アナルのなかをレロレロ舐めながら、 「だったらここはおまえの唇みたいなもんじゃないか。おれはいま、おまえにキスをしてるんだ」  大真面目に冴木は言う。 「……さ……冴木――」 「……こんなにあたたかいのか……瀬名の唇は――――」  愛してる……愛してる……愛してる……  尽きない泉のように湧き上がる、瀬名への思い。 「さ……冴木ッ――」  四つん這いでのけぞった瀬名は、 「あっ、あっ……ありがとうっ……!」  と叫ぶ。 「冴木がおれを売ってくれたおかげでっ、おれはほんとうの自分に気付くことができた……ド……ドマゾで……ドヘンタイで――ひどいことをされるのが大好きな、正真正銘のどうしようもない肉便器――……おれは――おれはいま……最高に幸せだよ――」  ――知っていたのか。  おれが――おれが瀬名を嵌めたことを――――  胸のなかに、さぁっと冷たい風が吹き抜けるような切なさを感じた冴木は、瀬名のアナルからそっと口を離した。  くぱぁっ、くぱぁっ、と収縮するアナルは、まるでほんとうにしゃべろうとしているかのようだ。 「――だからおれのことはもう忘れて――冴木も御門さんと幸せになってくれ――お、おれはもう――こっちの世界で生きていくから――」  床に這いつくばった瀬名は、ラバーマスクのなかでうっすらとほほえむ。 「……いままでずっと、男らしさとか、強さとか――そんなものにこだわってきたけど、KETSUMANKOになったらそんなの、どうでもよくなってしまった。デカいおチンポさまに犯されると脳が麻薬でもやっているみたいにキラキラスパークして――ああもう、これさえあればいい。おチンポさえあればいいと全身で思えるんだ――」 (デカいチンポ……か――)  スラックスのなかでギンギンに張りつめた自分のペニスにそっと触れた冴木は、 (おれのモノじゃ瀬名を満足させることはできないな)  と自嘲する。  ――冴木はかなしいほどの短小だった。  そのとき、日本人の男が冴木に近づき、 「よかったらこれを――」  直径8センチ、長さ30センチの極太ディルドを差し出す。  ふたつのタマ付きの、巨大な男根を模した肌色のディルド。 「立てKETSUMANKO」 「うぐっ……!」  頭にかかと落としをくらった瀬名がよろけながら立ち上がる。  勃起したチンポのかたちに盛りあがったラバースーツの股間。 「相変わらずチンポギンギンにしやがって。イきたいのか?」 「はっ、はいっ……! KETSUMANKOッ! イかせていただきたいですっ!」  ガニ股になり、頭の後ろで腕を組んだ瀬名が答える。 「KETSUMANKOのケツマンコはなんて言ってる?」 「ケッ、ケツマンコのケツマンコはぁっ! デカちんぽがほしくてっ、クパクパしっぱなしですぅっ!」 「ほんとうだ。――まったくつつしみのないおまんこですね」  瀬名の尻穴を覗き込んだブロンドの外国人がクスッと笑う。 「ピエール。KETSUMANKOのスーツのジッパーを下げてやれ」 「はい」  ピエールと呼ばれた外国人の男が、首の下から股間までつながったラバースーツのジッパーを一気に下ろす。  あらわになる――エロ乳首丸出しの上半身と、コックリングで射精をせきとめられたチンポ。  チャックの上に乗りあげた、パンパンに腫れあがった瀬名のキンタマ。   「あーあ、こんなにパンパンにして」  そのタマを手のひらでムニムニ転がすピエール。 「おっ! ほっ! おほっ――んっ♡」 「汚い。鼻水が垂れてきてますよ。久しぶりにあったお友だちにこんな姿見られて恥ずかしくないのですか?」 「はっ、恥ずかしいッ……はずかひいでふっ!」  ぶるんぶるん激しく横揺れする瀬名のチンポ。  ガマン汁と汗で蒸れ蒸れになったその先っぽをピンッ、とつまびいたピエールは、 「せっかくですから、お友だちにもっと恥ずかしいことをしてもらいましょうか」  と天使のように美しい笑顔で言う。  冴木の前に、淫具の入った箱が置かれる。 「冴木さま。ぜひお好きな道具で、KETSUMANKOをいじめてやってくださいませ」 「えっ……?」  巨大ディルドを持ちながら、目を大きくみはる冴木。 「約束したでしょう。性奴隷調教が成功したあかつきには、好きなだけこのカラダを味見していいと」  淫具箱から取り上げた乗馬鞭を、日本人の男は、瀬名の尻に打ち下ろす。 「アッ!? アァ――――――ッッッ!」 「うるさいぞKETSUMANKO!」  前にしなる鞭。剥き出しになったチンポを叩かれ、 「オッ! オォッ! あっ、ぐっ!」  ガニ股の脚をガクガクさせる瀬名。 「うるさいと言ったでしょう」  瀬名の乳首をつまんでぐいっと引っぱりあげるピエール。  両方の乳首をありえないほど引き伸ばされ、 「……ゥッ……! フグッ! ォッ! ……ンッ!」  ラバーマスクの下で瀬名はダラダラと涙を流す。    とまらないガマン汁が、床にポタポタ垂れていく。 「まるでお漏らしだな」  鼻で笑った日本人の男が、 「さぁ、冴木さまもぜひどうぞ」  とうながす。 「そのディルドを突っ込むでも、タマをいじめるでも、乳首におもりをぶら下げるでも、なんでもやり放題です。最初で最後のごちそうをその手でたっぷり味わってください」  最初で最後――――  そのことばに後押しされるかのように、ディルドをぐっと握った冴木は、瀬名ににじり寄っていった。    

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