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ゆっくりと亮治が顔を上げる。 真っ直ぐに俺を見つめる瞳は、どこか野生の獣を思わせて爛々と輝いていた。 その口許だけを笑った形に歪めると、満足げにペロリと唇を舐める。 まだ少し熱く、ジンと鈍く痛む鎖骨にそっと触れてみた。 「バカ亮治...お前、何しよんな?」 罵ってやろうと吐き出した声は上擦っていてちょっと恥ずかしい。 それ以上を喋る代わりに、俺を見下ろす亮治の額をペチッと力無く叩いてやった。 「俺の好きにしてもええんじゃないん?」 「そりゃまあ...そうじゃけど」 「たかちゃんは俺のモンじゃってマーキングしといた。憧れとったんよ...こうやって、たかちゃんに俺の印付けるん......」 そんな気はしてたけど、どうやらキスマークなんて物を付けたらしい。 「そういうんて、首じゃないん?」 「首じゃったら、制服着たときに見えるかもしれんじゃろ? からかわれたらたかちゃん可哀想じゃし...それに、これは誰にも見せとうないけ」 所有の印を付けておいて、見せびらかす事はしたくないのか。 まあそれも、どこか亮治らしい... 「お前だけ付けるん、ちょっとずるうない?」 「もしかして...たかちゃんも付けてくれるん!?」 俺の言葉を聞いた途端、獣そのもののようにギラギラと光って見えた瞳が、まるで愛玩動物のそれのようにキラキラする。 付けられたかったのかよ...と少し呆れて苦笑いを浮かべながらも、俺は亮治の胸をそっと押した。 「ええよ。付けちゃるけ、そこに寝てみ?」 「う、うん!」 素直に言われるまま、大きな体が隣に横になる。 その中心はさっきよりも遥かにグロテスクに変形し、隆々と天を仰いでいた。 「どこでもええんか?」 「勿論! 俺、たかちゃんのモンじゃけ! 好きな所に好きなだけ付けて!」 ワクワクドキドキといった顔で向けてくる視線を、俺の左手で軽く塞ぐ。 「ほしたら、俺がええって言うまで目ぇこうやって隠しとけ。絶対見るなよ」 「え? 目開けとったら付けるのが見えるような場所に付けてくれるん!? イヤじゃ、見たい、見るっ!」 「......ほしたら、付けるん止める」 「はいっ、見ません! 絶対見ません!」 両手でしっかりと目を覆い、ついでに唇まで噛み締めている。 見ません、いらない事は言いません...のアピールなんだろうか。 とりあえず顔のそばで豚鼻にしてみたりわざと白目を剥いてみたりと精一杯の変顔を作ったものの一切反応が無いので、本当にきっちり目は塞いでいるらしい。 俺限定でゲラの笑い上戸だから、見えてれば今頃我慢しきれず腹筋がピクピクしてるだろう。 見ないという約束が実行されている事に安心しつつ、静かに移動していく。 足首を持ち、長く、筋肉で重い脚を少しだけ開かせた。 思ってもなかった場所で、想像もしなかったらしい行動を取った俺に慌てたのか、亮治が体を起こそうとする。 「じっとしとけよ。見るな言うたじゃろ?」 「で、でも...たかちゃん、何する...ん?」 「......俺のモンじゃっていうマーキング」 脚の間にできたスペースに膝をつき、俺は静かに顔を下ろした。 目の前にはあの凶暴に膨れ上がった性器が戸惑いと期待を隠さず震えている。 正直、男の俺が同性のこんな物を間近で見てどう感じるのか不安があった。 しょぼくれてる時の物なら小さい頃からしょっちゅう見てきたし、今の関係になってからは触ったり握ったりもしてる。 大きいのも太いのも硬いのも知ってはいたけれど、こんな近くで見れば大なり小なり違和感や躊躇いが生まれるんじゃないかと思っていたのだ。 けど、自分でも驚くほど何の嫌悪も無い。 いや、寧ろこうして興奮しきった状態を保っているこれが、堪らなく愛しく思える。 更に顔を下ろしながら、グッと太股を押し広げた。 性器は見た事があっても、こんな所まで見るのは初めてだ。 真っ赤に充血して見える場所とは違い、そこは浅黒い肌と余り変わらず付け根の上と下のフォルムと色の差にちょっとニヤリとしてしまう。 たっぷりと重さを感じさせるそれをフワッと持ち上げれば、そこから縫い目のような線が続き、更にその先は奥まってしっかりと閉じていた。 せっかく手にしたのだからとそれを優しく揉み、転がす。 途端に中心のモノはピクンピクンと大きく揺れ、目的の場所には力が入ってビンと筋が浮いた。 「た、たかちゃん...それ、ダメかも......」 「お前、タマが弱いんか? よし、覚えとくわ」 右手で柔く揉みしだく動きは止めず、俺はその筋の浮いた場所にゆっくりと口を付けた。 脚の付け根...殊更皮膚の薄そうなそこに吸い付き、亮治がしたそのままに力いっぱい吸い上げる。 「んっ...あぁ...ちょ、ちょっとたかちゃん...それダメ...ヤバい、ほんまに......」 クンクンと鼻を鳴らしながら体を捩り、亮治は俺から逃げようとする。 それでも両目は約束を守って自ら塞いだままだから、それは抵抗という抵抗にもならなかった。 ただなんとか閉じようと小さく脚をばたつかせ、シーツを掻く。 逃げようとしているのにムカついたのか、健気にも約束を守ろうとしている事が愛しいのか、何故か俺はそのまま止めてやる気にはなれない。 右の腿を開き押さえ、今度はその中心をしっかり握り込んでやった。 ゆるゆるとそれを動かしながら、左と同じく噛み付くように強く吸い上げる。 「はっ...ぁん...たかちゃん...たかちゃん......」 緩い動きでは物足りなくなったのか、カクカクと腰を動かし始めたのは本能なんだろう。 ずっと大きく早く俺の手の中で動くモノは、トロトロとヌメる雫を溢れさせ始めた。 そのせいでその動きはどんどん滑らかになっていく。 あ...俺の手で感じる亮治は...最高に可愛い... 握りしめる手の力を少しだけ強くする。 しっかりと赤黒い鬱血のついた両足の付け根に満足しつつ、俺はさっきよりも丸く硬くなった場所をペロリと舐めた。 嫌じゃない...全然嫌じゃない。 いや、それどころか...もっとしたい、もっと感じさせたい。 口を大きく開き、袋を含む。 全体を唇でハムハムと甘噛みしながら、中のタマを舌先でコロコロと転がした。 俺の付けた独占欲そのものの鬱血が息をするようにヒクリと動く。 コロコロと転がせていた物は動きが悪くなり、ますますそこは硬さを増した。 「たっ、たかちゃん...顔見たい...お願い...出るけ...もう出そうじゃけ...お願い、たかちゃんの顔見せて」 なるほど、ここからだと俺も亮治のその時の顔が見られない。 抜き合いでは俺もイク瞬間には目を閉じてしまうから、今まで見た事が無いのだ。 どうせなら亮治が俺の手の中で快感に耽る顔を見てみたい。 「ええで、もう手ぇどけても。俺にもお前の顔見せて」 袋を解放すると、手の握りを変えて裏側をゆっくりと舐め上げていく。 これまでの経験上、亮治はこの辺りが特に好きだったはずだ。 上目で亮治を見つめながら、そのまま先端に向かって唇を滑らせる。 ゆっくりと顔から手をどけた亮治と、ようやく目が合った。 すっかり蕩けているのに、まだ貪欲にその先を求めるオスの目。 トクトクと胸の音が大きくなる。 導かれるように口を開き、先端の丸く大きく張り出した所へと顔を下ろす...... ......そんな間もなく、気づけば俺の顔も首も髪も、生温く青臭い液体でドロドロになっていた。

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