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朝の目覚めはなかなか悲惨な状態だった。 とにもかくにも腰と股関節があり得ないほど怠く、力が入らないのだ。 まあ、脚を不自然な格好に開いて随分と長い時間亮治を受け入れていたんだから、股関節は仕方がないとしよう。 その為の骨格になっている女性とはそもそもが違う。 どうしても耐えられそうになければ、次からは後ろからしてもらえばまあ特に問題は無いだろう。 しかし、腰の怠さと尻の穴の弛んだ感じにはまいった。 実際亮治が呆れるほど丁寧に下準備をしてくれたおかげで、どこか切れたり擦れたりと傷を負った形跡は無い。 しかし延々と開きっぱなしも同然で太い杭を突っ込まれていたせいで、まだそこが開いているような気がして仕方ない。 なんならドロドロと今にも体液が流れ出してしまいそうな錯覚を覚えるくらいだ。 腰も、凝っているとか捻ったとか、そういうのとは全く違う。 腰の骨が痺れているように重く怠いのだ。 痛いのとは違い、ただとにかく怠い。 おまけに、やはり変に体が強張って力が入っていたらしく、全身のあちこちが筋肉痛だ。 こんな痛みは体育祭の翌日ですら感じた事が無い。 それでも... 身体中ギシギシのボロボロだけど... 目を開けた瞬間、俺は幸せに包まれていた。 視界いっぱいの亮治の寝顔。 逞しい腕の中の温もり。 そして、お互いの肌から漂う同じ香り。 先に目が覚めた俺は、しばらくそのいつもよりあどけない顔を、胸を熱くしながら見つめた。 もっとも、トイレに行きたくなってすぐにこの機嫌良く眠る熟睡野郎を起こす事になってしまったけど。 一応ちゃんと一人でこっそり行こうとしたのだ。 チャレンジはした。 しかし腰が砕けてベッドから下りる事もままならず、そのままカーペットの上に蹲る事になってしまったのだ。 まさかのオネショ、それもホテルのカーペットの上...という最悪の事態を防ぐ為には亮治を起こしてトイレまで付き添ってもらうしかなかった...情けない話だけど。 ところが安眠を邪魔されたはずの亮治はと言えば、ちょっと驚き申し訳なさそうな顔はしたものの、内心喜びまくってるのは一目でわかった。 聞けば、俺一人体を傷める事になって悪いとは思ったけれど、それが全て自分とのセックスの為だと考えるだけで弛む頬が抑えられなかったらしい。 チラリと肩口に見えた赤黒い痣にもひどくムラムラきたんだそうだ。 まあそれは...俺にしても似たような物だったけど。 亮治の太股や二の腕にうっすらと付いたみみず腫は、俺が苦しさに耐え痛みを堪え、そして感極まった瞬間につい爪を立ててしまった証拠。 そして脚の付け根には、誰にも見られる事の無い所有の印が残っているはずだ... そう思えばまた顔にも体にも熱が上がってきた。 ただ、残念ながらムラムラするほどの体力も残ってないし、なんなら頭の中はトイレの事でいっぱいだったから、亮治と丸っきり同じ気持ちとはいかなかったけど。 できれば起き抜けにあの綺麗な体にちょっとしたイタズラを仕掛け、そのまま朝からイチャイチャなんて事もしてみたかった...残念だ。 とりあえず亮治の介助で無事にトイレを済ませ、せっかくだからと朝から大浴場へと向かった。 さすがは天下の古湯、名湯というところか。 体をしっかりと温めた事も良かったのかもしれないけれど、怠さで力の入らなかった脚も腰も随分と楽になったように思う。 ただ、それはあくまでも『多少』楽になったに過ぎない。 予定では朝食後早々にチェックアウトし、近くにある松山の一番社だという歴史ある神社や四国霊場の札所であるお寺に行くつもりだったのだが、諦めるしかないだろう。 なんせ石段を上がれる気がしない。 いや、100%無理だ。 という事でチェックアウトの時間ぎりぎりまで部屋で体を休め、その後は天守までリフトやロープウェイで上がれる松山城にだけ寄ることにした。 ビュッフェ形式の朝食をしっかり食べて部屋に戻ると、亮治は座布団を折って枕を作り俺は強引にそこに横にされた。 やっぱりまだかなり疲れが残っていたのか、俺は素直に眠ってしまう。 そろそろチェックアウトだと起こされた時には、大量の汚れたタオルもベッドサイドのあれやこれやの卑猥な備品も、そしてゴミ箱に捨てたはずの明らかな情事の痕跡も...すべて亮治が一人で綺麗に片付けてくれていた。

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