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第107話 浴室※

 あっくんは僕を浴室へ連れて行くと、優しく髪や身体を洗ってくれた。それから僕の様子を見ながら、後ろを綺麗にしてくれた。久しぶりのそれはとても恥ずかしかった。  だから僕は自分で後でやるって言い張ったんだ。でもあっくんは、ぎらつく眼差しで任せてくれと言うなり、僕を喘がせながらやり切ってしまった。  少しぐったりした僕が湯船に入ると、自分の身体をサッと洗って、ザブリと僕の後ろへ入りこんだ。  後ろから抱きしめられて、僕は何だか久しぶりのあっくんの生身の身体にドキドキと心臓が高鳴った。僕、緊張してるみたいだ。あっくんは僕の首筋に鼻を押し当てて、ゆっくりと僕の匂いを吸い込んだ。 「あぁ…。俺の番は良い匂いだ。この匂いが俺だけのものなんて、嬉しくてたまらないよ。理玖、好きだよ。」  僕はあっくんの方にザブリとお湯を跳ね飛ばして、振り返り抱きついた。 「僕も。僕もあっくんが好き。僕は生まれた時から、あっくんしか欲しくなかった。あっくんも僕を欲しがってくれる?」  あっくんは僕の耳元で僕の名前を呼ぶと、ぐいっとあごを持ち上げて貪るような口づけをした。僕たちはこうやって溶け合うのを何で我慢できたのか分からないと感じるほど、夢中だった。  あっくんのうごめく分厚い舌が、僕の舌を絡め取って身体がビクつくほど感じてしまう。僕の口の中がこんなに快感で溢れてるなんて、信じられない気がした。  あっくんは僕の様子がおかしいと思ったみたいで、ふと顔を引き剥がすと震える僕を見て尋ねた。 「…理玖、どうした?調子悪いか?」  僕は重たい瞼をゆっくりと持ち上げて、心配そうに僕を見つめるあっくんに微笑んで囁いた。 「…そうじゃないの。僕、何だか今日は感じ過ぎちゃって、苦しいくらいなの。あっくんが好きって気持ちが多過ぎて、爆発しちゃうかもしれない…。」  あっくんはさっきみたいな、僕を食べたいみたいなギラつく眼差しで僕を見つめると掠れた声で言った。 「俺の理玖は、魅惑の堕天使だったんだな…。こうして少しづつ理玖を知っていくのが嬉しくて堪らない。甘い口の中も。滑らかな身体も。耳の後ろに小さな黒子が並んでいる事も。  …理玖の可愛い胸の印が、俺に可愛がられたがって尖ってるって事も。」  そう言いながら僕を高く抱え上げると、僕の待ちきれない胸の先をジュッと吸い上げた。 「ああぁっ!あっくん!」

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