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第121話 激しく…して?※

 「僕、発情期は全部はっきりとは覚えてなくって。馬鹿みたいに欲しくてたまらないのは分かるんだけど…。あっくんも覚えてないでしょ?」  あっくんは虚をつかれた様に呆然として、僕に抱きついた。 「あー、俺、理玖と発情期のあれこれ覚えてないなんて!理玖、今まで何回発情期あった?4回?今度5回目?ああ、悔しいな、理玖との目眩く発情期を4回も記憶にないなんて。  理玖、でも俺完全に記憶が無いわけでもないんだ。時々理玖とイチャイチャしてる時に、馬鹿みたいに盛ってる記憶というか、フラッシュバックがよぎる時があって。  多分あれが発情期のそれなんじゃないかなって。…そう言う意味でも次の発情期楽しみなんだ。」  そう言いながら、あっくんは僕を舌舐めずりをしながら見つめた気がした。ああ、僕食べられちゃいそう。あっくんの優しい口づけは直ぐに僕を喘がせた。甘くて美味しいあっくんとの舌を交わし合う口づけは、僕をうっとりと蕩けさせる。 「…あっくん、激しくしちゃうんでしょ?」  僕があっくんを見上げておねだりすると、あっくんはグッと息を呑んで少し顔を赤らめた。  あっくんは無言で僕の服を剥ぎ取って、僕に跨ったまま自分も服を脱ぎ捨てた。僕の弱い首筋に鼻を押しつけてうっとりと大きく深呼吸して言った。 「ああ、最高だ。理玖の匂いは俺を焚きつける…。」  それから僕はあっくんの口や指に翻弄されて、赤く充血した胸の尖りはますます疼いてしまった。僕はあっくんの指先を僕のお尻に引き下ろした。  僕のお尻をゆっくりと撫で下ろす指先に、僕はゾクゾクとして背筋を反らした。あっくんの吐息が僕の昂りを揺らして、柔らかな舌使いで僕自身を責め始めた。  同時にお尻を撫でていた指が僕の窄みを引っ掻くと、ぐちゅっと挿入してきた。僕は同時に可愛がられて、ただ息をするのに精一杯で…。卑猥な水音が部屋に響いて、僕は羞恥心と一緒にいやらしい気持ちが高まってしまった。 「…理玖、凄い濡れてる。俺の指も引きちぎれそうだよ。もう、挿れるよ…?」  あっくんの太ましいそれは僕の内臓を押し上げて、同時に敏感な場所を擦って押しつけて、僕は苦しい様な、気持ちいい様な矛盾した心持ちで息も止まりそうだった。  あっくんが動き出すと、それは別の快感に変わった。僕の喉から溢れる甘える様な喘ぎ声と、肌の触れ合う叩きつける様な音が部屋を満たして、僕はクラクラする様な快感に振り回された。 「あっくん、もっと!あああっん、奥まできてっ!」  僕の奥の疼きを鎮めて欲しくて、僕は貪欲にあっくんを呑み込んだ。切羽詰まった様なあっくんの激しい腰使いに揺さぶられながら、僕は手を伸ばしてその先のてっぺんを捕まえようとあっくんに脚を絡めた。  まるで蜘蛛の様にあっくんを喰らい尽くそうとしているって、僕は弾ける意識の中で笑ったんだ。

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