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第4話
多分知らずのうちに好きになっていたと思う。
まだ小さかったから恋愛感情というものがよく分かっていなかったけど
今思えばあの時には確実に・・・
小学3年生の夏休み、両親が親戚の葬式に出るため
何日か家を空けるからと、俺は陸の家に預けられていた。
俺たちはここぞとばかり、陸の部屋で夜遅くまでゲームをしていたが、途中で飽きてテレビを観ていたらたまたま夏の怪談話特集がやっていた。
「・・・こわ」
「ねぇ・・・テレビ消してもうねようよ」
恐怖に耐えられなかった2人は電気を消して一緒のベッドに入った
「・・なぁりく、やっぱり」
「ん?」
「電気・・・付けて、ねない?」
「えー?豆電球だから今のままでも明るいじゃん」
「今日だけ・・・」
「明るいのやだ・・・けんと、こわいの?」
「あんなの見たらこわいに決まってるだろ!」
「まあなー。でも明るかったらおれねれない」
「えぇ〜・・・」
「よし、けんとこっちこい」
お互い上を向いて寝ていたけど、
陸の声につられて横を向くと、薄暗いなかでも
豆電球の明かりが、微かに俺の方を向いて手を広げて待っている陸を映していた。
「なに?」
「くっついてねたらこわくないよ、はい」
俺は恥ずかしながらも、怖さが、勝って
おずおずと陸に近づいていき、ゆっくり抱きついた。
そうすると、キュッと陸が俺を抱きしめてくれて
「こうするとこわくないだろ?」
と、あくびをしながら言った。
俺は小さい声で うんと言って陸にしがみつきながら小さく頷いた。
陸はとても温かくて
安心して怖い気持ちは不思議と消えていた。
目を閉じて寝ようとしていたら、しばらくして俺の耳元で寝息が聞こえて
ゆっくり目を開けたらすぐ目の前に陸の顔があった。
なんだかわからないけど心臓が口から出そうなくらいドキドキしていて
その日は陸が寝返りをうつまで俺は固まって動けなかった
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