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第10話
「ちょい、そこの辞書取って」
「ほれ。あ、陸ここさ、どういう意味?」
「どれ────」
高校3年生の夏休み、俺達は塾には行かず2人だけで受験勉強に励んでいた。
陸の部屋のエアコンは効きが悪いので、最近はめっきり俺の部屋でやっていた。
お互い基本は自分の勉強をしているのだけど
普段勉強していなさそうでしっかり成績は良い陸に、普段勉強してなかったからそのまま成績は良くない俺は、陸に教えてもらうことが多かった。
「ここは───」
隣で自分の問題集をやっていた陸が、俺の問題集を覗き込む
俺の左肩と陸の右肩が密着する
顔が近くなる
肩から伝わる熱と、微かに香る陸の匂いに下半身が反応してしまいそうになる
夏休みに入ってから
1人でするのを我慢している。
陸が毎日俺の部屋に来るので
いやらしい事をしてしまうと
陸を部屋に来た時夜の自慰行為とリンクして思い出してしまうと困るからだ。
でも、かえって逆効果だったかもしれない・・・
2人きりの空間で、陸の肩に触れただけで、陸の匂いを感じただけで 下半身の中心に熱が集まる
「───ってこと。分かった?」
「あっ、あ、ごめん・・もう1回・・・」
がばっ
「あっ!」
「もー・・・教えてるんだからちゃんと聞いとけよ〜健人・・・」
陸が突然俺に後から抱きつき
耳元で囁いた
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