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第16話
「何かあったの?」
「この前学校で石森と話してた時あっただろ?あの・・」
「ああ、雪君がお使いお願いした時の?」
雪君とは川村先生の事で、2.3年は俺のクラスは川村先生が担任だったけど石森は違うクラスになってしまった。
校内の放課後以外の携帯の利用は禁止されているので、どうしても伝えたいことがあると
2人が俺に言付けを託して、俺が伝達しているのだ。
あの日も、「奈緒に、今日会議が入ったから遅くなると伝えて欲しい」と先生にこっそり朝礼終わりに言われ、休み時間に人があまりいない階段に石森を呼び出して伝えたのだ。
「山田が見てたみたいで・・・」
「山田くん?だれ?」
「あ、俺らの友達。その様子を石森が俺に告白してると、勘違いしたみたいでさ・・・それを聞いた陸が勘違いしてる」
「あらまぁ・・・でも違うって言ったんでしょ?」
「まあ・・・それは大したことじゃないんだけど・・・その後に・・・・」
「その後に?」
石森がじっと俺の顔を見て次の言葉を待っていた
「陸が大学行ったら一緒に住もうって言うんだ・・」
「えっ」
「俺、押されてうんって言っちゃったんだけど」
「・・・前から気になってたんだけど・・・」
石森がうーんと考えながら咥えたポッキーがパキッと気持ちのいい音を立てた
「小田くんて、木田くんのこと好きなんじゃないかな?」
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