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第17話

「それは無いよ」 ───そんなことあるわけない 「どうして?」 「あいつは去年までずっと代わる代わる彼女がいたんだよ?それにあいつに昔お前は俺の1番の親友だって・・・俺を恋愛対象で見てるはずなんかない」 陸が俺を好きだなんて 現実であればいいだなんて100万回願ったよ。 その都度、陸は俺の目の前に新しい彼女を連れてきて悪びれもなく紹介するんだ 「でも、小田くん今年入ってから誰とも付き合ってないよね?木田くんの気持ちが通じたのかもよ」 「いやいや」 俺は笑ってポッキーをバキバキ食べた。 「そういや、石森はどこの音大受けるの?」 「私は東京のここ、」 俺にスマホで大学のホームページを開いて見せた 「ここ有名なとこだろ?!すげーな」 「受かってみせるわ」 「・・・先生とは遠距離?」 「これ、まだ内緒なんだけど・・・雪くんも3月で学校やめて東京行くの」 「えっ」 「ピアノ教室の講師に就職が決まってて、4月からあっちで働くの。」 「・・.高校教師やめるのか」 「・・・私と出会う前はずっと高校の先生続けていくつもりだったみたいだけど、 私と出会ってから・・・・私中学の時からピアニストになりたくて東京の音大目指してたから離れてしまうのわかってたんだけど雪くんは、俺はどこでもピアノ弾けるならって、一緒に東京行って働くって言ってくれたんだ。私も雪君と出会って、ピアノがこんなに楽しいものだって思えるようになれた。なにより2人ともの願いは 一緒に居れて、お互いのピアノが聴けることだから」 「一緒に住むの?」 「うん。実は親には了承得てるの。私と付き合う時から親には頭下げて、ずっとこうなることを許してもらうように家に通ってくれてたの。」 「私たち2人は出会って恋に落ちてから親も哀しませたし友達に嘘もついた。先生と生徒だから世間的に許されない恋だからコソコソしてたし会いたくても会えなかった。でも、私たちにはそれでもこの先一緒にいたいから耐えられたんだと思う。」 「・・・・」 「木田くん、周りにわかってもらえない恋だとしても、人を好きな気持ちに間違いなんてないわ。 小田くんと一緒にいたい気持ちが強いならこのまま気持ちを隠し通すのもいいけど、これ以上気持ちに嘘がつけないなら伝えてみたらいいと私は思う。」 「・・・とっくに気持ちに嘘をつくのには限界はきてるんだ。でも、俺は陸を失うのが怖い・・・」 「小田くんは木田くんを嫌いにはなれないから大丈夫。私にはそんな簡単な絆には見えないけど」 そう、もう限界なんかとっくに超えてる 拗らせて、捻れて絡まっている。 もし陸に好きだと言ったら なんて顔するかな 「小田くんは木田くんを嫌いにはなれないから大丈夫」 石森にそう言われて 少しだけ絡まっていたものが解けた気がした

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