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第20話
あっという間にセンター試験も終わり、
気がついたらもう大学の入試の日になっていた。
俺達は前日に東京に移動してきた。
1日目は試験会場の大学までの道のりを確認し
2日目、3日目は入試があり4日目は物件探し
5日目に帰る。俺達は駅からすぐの安いビジネスホテルのシングルを隣同士で取った。
試験1日目は試験が長めだったから終わったらすぐホテルに戻って夜ご飯はホテルのすぐ近くにあるチェーン店の牛丼屋で済ませ、各自部屋で明日の確認で軽く単語帳に目を通してから早めに眠りについた。
2日目は大学近くのカフェで待ち合わせた。
学部が違うので終わる時間も違ったから、早めに終わった俺はカフェで陸を待っていた
俺はしばらく考えた後、スマホを出し履歴から電話を掛けた
プルルルル
プルルルル
プルルルル
「はい」
「俺だけど、今大丈夫?」
「うん大丈夫。試験終わった?」
「なんとか。多分大丈夫そう」
「それは良かったわ。お疲れ様」
「うん」
「・・・今日小田くんに告白するの?」
「うん。それで急にどうしたらいいかわからなくて電話しちゃって。ごめん忙しいのに」
「ううん、全然。───私わかるわ、小田くんも木田くんの事好きよ。もしそれが恋愛感情じゃなかったとしても・・・もし親友としての好きだったとしても木田くんの気持ちを聞いて彼は離れたりはしない。だから当たって砕けてきて」
「当たって砕けたくねー」
石森の「当たって砕けてきて」は無責任すぎて笑ってしまった。
そうだ、石森の言う通りあいつは俺の気持ちを聞いて気持ち悪がったり離れたりはしないはずだ。
「石森、ありがとな。」
そう言って俺は電話を切った
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