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第23話
「なに・・・・・」
俺はピンク色に染まる部屋の中で、ただ立ち尽くしていた。初めて入ったラブホテルという、男女がセックスをするために来るこの部屋に何故か陸に連れられて。
「なんなんだよ・・・」
俺は状況が飲み込めず、ただ突っ立っていると
陸が俺のコートを後ろから脱がせてハンガーに掛けた
陸は俺のコートと自分のコートを淡々とクローゼットにしまう
「ゆっくり話したくて」
「そんなの・・・ホテル着いてからゆっくり話せるだろ?それに、俺とこんなとこ入ってる所・・・お、男同志でラブホになんか入ってるの知り合いに見られたらどうするんだよ」
「まあ、そうだけど・・・普通に話しても聞き出せる話じゃないから。知り合いなんてこんなとこにいないよ。ここ東京だよ?それより・・・」
陸が突然俺を抱きしめた
「受験終わったら告白するって言ってたよね。誰に?」
ごくっ
「・・・」
「ねぇ、誰?」
ドサッ
「わ」
陸が俺をベッドに押し倒す
「俺だろ?」
「──え、」
仰向けにベッドに倒された俺に馬乗りになった陸が苦しそうな顔で言った
「俺を好きだろ?健人」
「な・・・・なんで・・・」
俺は突然言い当てられて驚きと恥ずかしさで
咄嗟に顔を背けた
陸はゆっくり俺に被さり
「健人・・・・俺は好きだよ、お前の事」
そう俺の耳元で囁いた
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