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第24話

「・・・え・・・・?」 今なんて? 「陸・・・いま、なんて?」 俺のようやく出た掠れた声に陸が反応し、ゆっくり 俺の首元に埋まった顔を上げた。 俺も横を向いた顔を天井に向けて陸の顔を見た その瞬間顔が近づいてきて 突然 陸が何も言わずにキスをした 「んっ」 唇と唇が押し当てられるキスだった 重なった唇が熱くて柔らかくて溶けそうだ 回らない頭でそう思った 唇がなかなか離れなかった。そのうち頭がハッキリしてきて俺のいつもの思考が戻ってきた ふざけてる? からかってる? 俺が経験ないから面白半分? もしからかってるなら動揺しちゃだめだ、 顔が赤くなっちゃだめだ 気持ちを隠さないと・・・ 長年気持ちを隠してきたので防御反応で 脳が隠せと命令する がばっ! 「やめろよ!」 力が入らない腕が出せる力を絞って、陸の両肩を押し陸を引き剥がした 「からかうなよ・・・」 陸は小さくため息をついて 上体を起こした 俺を見下ろすその目は からかっているようには見えなかった 「本当にお前は」 陸が俺の右腕を引っ張り起き上がらせる 「どこにわざわざ幼なじみをラブホテルまで連れてきてこんな事までしてからかう奴がいるかよ」 そう、陸はこんなこと、からかってなんてしない。 俺が1番わかってる・・・ お互いベッドの上で向き合って、俺は陸の言葉を黙って待った 「もう一度言うから素直に聞けよ? だから、俺は健人が好きなの キスしたくなるくらい好きなんだって」 もう俺は陸から目が離せなくて ずっと顔を見ていたはずなのに 段々視界がぼやけてきた ああ 俺泣いてるんだ・・・・

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