陸side ｢もう一度言うから素直に聞けよ？ だから、俺は健人が好きなの。 キスしたくなるくらい好きなんだって｣ 健人の閉ざされてきた心に届くようにと願いながら 俺は言った 健人は俺をじーっと見つめたまま動かない 痺れを切らして声を掛けようとしたその時、 健人のびっくりしたまま見開いていた両目から涙が溢れてきた それは大粒の涙になり溢れ出てくる ｢あれ・・・おれ、泣いてる？・・・・｣ 俺は健人のぶらんとしたままの両手を包み込み聞いた ｢健人、俺のこと好き？｣ 健人は困った顔をして、涙でグシャグシャにしたまま ｢好きだよ・・・・ずっとずーっと好きだった｣ そう言うと俺の前で子供のように泣きじゃくった ｢ずっと苦しかった！ずーっと好きだった！俺は陸が好きだった・・・・陸、陸、好きだ、大好きだっ｣ 健人は、ダムが決壊したかのように気持ちをが溢れ出しているようだった。 俺はただ抱きしめて、俺の胸の中で泣きじゃくりながら俺が好きだと叫ぶ健人の背中を 頷きながら優しくさすった