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第5話 R18
「昴、今日も後でお前の家行くからな」
宮本君と一緒に次の講義に行こうと歩いていると、中庭のベンチに座っている洋介君が大声で僕にそう叫んでくる。
ブンブンと手を振る彼の周りで、いつものメンバーが一斉に僕に視線を向けて嫌そうな顔付きになっているから、僕はヒラッと手を上げて
「わ、解った……」
とだけ返事を返すと、そそくさとその場から足早に離れる。
「洋介の奴と何かあったのか?」
僕の歩調に合わせるように宮本君も足早に僕に近付くと、意外そうにそう尋ねてくるから
「イヤ……何も無いんだけど……」
どう説明すれば良いのか測りあぐねていると
「最近一緒にいる事が多くなったような気がするけど?」
隣から僕の顔を覗き込むように宮本君が更に突っ込んで聞いてくる。
僕はその場に立ち止まり、宮本君に視線を向けて
「実は……、最近一緒にゲームしてるんだ」
「ゲーム?あいつが?」
宮本君もまた洋介君とゲームが結びつかなかったのか、何とも言えない表情で僕に返してくるから
「だよね……、洋介君とゲームとか意外だよね。それも相手が僕とか……」
ボソボソと呟いた台詞に、宮本君は
「あいつとゲームが意外なだけで、本郷とは早くどうにかなってもらいたいのが俺の気持ちだけど?」
「え?」
宮本君の意外な台詞に僕が返事を返すと、柔らかな笑みを向けて
「お前と洋介がくっついてくれたら、俺もやりやすいだろう?」
狙っているβに対してアプローチしやすくなる事を言っている彼に僕は苦笑いを浮かべ
「そうだね……」
とだけ返事を返す。
洋介君の具合が悪くなって、僕の家で看病してから彼が僕の家に来る頻度は多くなった。メインはゲームをする為にだけど、一緒に夕飯を食べたり僕が好きなアニメを見たり、たまに洋介君が見たい映画を見たり……。
あの時僕に興味がある。って言ってくれていた彼の心意は解らない。だってあれから彼の態度が変わったりもしないし、僕から聞くタイミングは完全に失ってしまったから、聞くに聞けないし……。
けれど一つだけ進展した事はある。それは不意に洋介君から僕にキスする事があるという事。
触れ合うだけの軽いものから、ディープなものまで……、彼の気分次第でまちまちだが、それは確かに僕に向けてのものだ。
最近ではやっとキスの時に鼻から息をするって事にも慣れてしまって……。
本当は洋介君が僕の事をどう思ってそういう行動に出てるのか知りたいって思うけど、聞くのが怖いって感情もある。
誰かの代わり。と言われてしまえば僕は立ち直れない確信があるから、それを確認するのを先延ばしにしてるんだ。
今のこの状態が良いとは思わないけど、少しでも彼が僕に興味を持ってくれている今を長く過ごしたいって欲もあるから……。
「うまくいくと良いな」
宮本君はそう言ってポンポンと肩を叩いてくれるが
「ハハッ……」
僕は笑うことしか出来なかった。
◇
講義を終えて、僕はすぐに自宅へ帰ると夕飯の準備を始める。
手洗いうがいを終わらせて、ジャージに着替えてから最近洋介君から貰ったカチューシャを頭にセットする。
『ゴムよりこっちの方が楽だろ?』
って、わざわざ買ってきてくれたものだ。
この前のコンビニのおまけで貰ったフィギュアはテレビ台の上に飾ってあって、それを見付けた洋介君は少し嬉しそうな顔をしていた。
その時に僕がそのアニメを見ている事もバレたんだけど、意外にも彼も見たいと言い出して一緒に最初から見る事になったんだけど、見終わった後に
『すっげぇ面白かったんだけど、最近のアニメすげぇな』
って驚いていた彼に、こっちが嬉しくなったのを覚えている。
最初はヲタクだから馬鹿にされたりからかわれたりするんだと思っていたけれど、そんな事は無く、すんなりと受け入れてくれた事が嬉しかった。
一緒に過ごす度に、彼の意外な一面を知れて楽しい。今までは大人っぽいドライな印象が強かったが、子供っぽかったり寂しがり屋なのかな?って思う事もあったりして……。
勿論それは僕以外の人達も知ってる彼の一面なんだと思うけれど、知らなかった事を知れるのは純粋に嬉しいと思う。
ピンポーン。
粗方夕飯が出来上がったところでタイミング良く到着を知らせるインターフォンに、僕は玄関まで足早に近付くと扉を開ける。
ここはセキュリティがしっかりしているマンションなんだけど、入り口で指紋認証の設定をすれば中に入る事が出来る仕組みになっている。
最近洋介君の設定をしたから、彼もすんなりと玄関前まで来ることが出来るようになった。それまでは下で一度確認してからドアを開けてっていう事をしていたんだけど
『いちいち面倒臭いから俺のも設定しろ』
と、言われてしたのだ。
「いらっしゃい」
玄関を開けながら言う僕に、ガサガサと隣のコンビニの袋を僕の前に突き出して
「お土産」
と、袋の中に入っているのはスイーツだった。
「ありがとう。夕飯食べたら一緒に食べよう」
僕はそれを受け取って、冷蔵庫の中に入れようと踵を返して部屋の奥へと移動する。
洋介君ももう慣れたもので、僕の後から玄関の鍵を閉めて上がってくる。
「もうちょっとで出来るから、テレビでも見ててよ」
「あぁ」
キッチンから声をかけると、もう定位置になっているソファーに座って、テーブルの上にあるリモコンでバライティー番組をつけている。
僕も夕飯の続きをしながらお盆を取り出して、その上に出来上がった料理を置くとテーブルに運んで。
「今日は何する?ゲームする?」
お盆から料理をテーブルに置きながら尋ねた僕に
「イヤ……今日は課題する」
「課題……」
まぁ、今日の講義で来週提出する課題は出たけど……。
「何だよ、俺が自分の課題したら駄目なよかよ?」
少し不機嫌そうに呟く洋介君に、僕は両手をブンブンと左右に振って
「イヤ、駄目じゃ無いよッ」
何も言っては無いけど、自分から課題をすると言った彼に驚いているのは確かだ。いつも僕がそれをしていたから……。
否定している僕だけど、洋介君は僕が何を思っているのか解ってるみたいで
「別に良いだろ……。てか教えろよ?」
「も、勿論ッ」
「早く食おうぜ」
「あ、う、うん」
この話は終わり。それ以上何も言うな。と言わんばかりに強引に話を終わらせた彼に、僕もキッチンへ引き返し残りのおかずを運ぶ。
どういう心境の変化なんだろう?
考えてはみるが、ピンとした答えにはならない。けれど、彼が良い方向に変わってくれるのは嬉しくて口元がニヤけてしまう。
「頂きます」
「うん、頂きます」
僕はニコニコで夕飯を食べ始める。
夕飯が終わり、先にお互い入れ違いでお風呂を済ませてから課題に取り掛かる。
洋介君は持って来た鞄の中からノートパソコンを取り出す。僕もテーブルの下に置いてあった自分のパソコンをテーブルに上げて、それぞれ課題をこなしていく。
講義の授業内容が記してあるノートと教科書を近くに開いて、関連する資料をパソコンから探して違うノートへと書き写して……。
カタカタとパソコンのキーボードを叩く音が部屋の中に響いている。
洋介君は僕に、教えろよ。なんて言っておいて、僕よりも順調に課題をこなしている感じだ。
「なぁ……」
フト彼が僕に声をかけたから、一旦休憩でもしたいのかな?と視線を上げると
「お前今日、宮本と何話してた?」
と、僕が予想していた話題じゃ無い事を聞かれて、一瞬考えてしまう。
宮本君?と……、何を話したか?
「え?いつ?」
今日はそんなに宮本君とは話はしてなかったはずだけど……。
「俺が今日お前の家に行くって言った時だよ」
中庭のベンチで洋介君が声をかけてくれてた時か……。あの時宮本君と何の話をしてたっけ?
思い出そうと、更に視線を上にあげて考え
「あ……」
洋介君と上手くいけば良いなって、応援された……。
都合良くその時の場面だけ思い出し、僕は恥ずかしさと照れ臭さで口元を歪めてしまう。
その僕の態度をどう取ったのか、洋介君は
「何?言えないような話してたの?」
と、少し棘がある言い方で喋るから
「え?イヤ……そんな、事……」
否定はするが、言っても良いのかと迷う。君との仲を応援されてた、なんて。もし素直にそれを伝えて洋介君の表情が曇ったり、嫌そうな顔になったら……。
言い淀んでいる僕に小さな溜め息を吐いて洋介君はゆっくりと口を開く。
「お前……結構宮本と一緒にいる事、多いよな?」
「ん?それは、割と被ってる講義が多いから……」
それに僕に対してフラットに接してくれるのは宮本君位だし。僕が一人でいても何気に気にかけてくれるのも彼だ。
お互いに違う人に片思い中で、友達よりも同志って感じなのかな……。僕の相談は勿論だけど結構宮本君の相談なんかにも乗っていたりする。
彼と彼の想い人は幼馴染みだ。小さい時から一緒にいる二人で、宮本君はαだが彼はβ。
『アイツは俺がαだから、身を引こうとしてる節がある』
寂しそうにそう呟いた宮本君の表情が今でも思い出される。
高校卒業の時に一度告白して宮本君は振られているらしい。ケド、小さい時から彼しか好きじゃ無かったとか。
振られてるから今は友達の関係を維持しているみたいだけど、そんな彼が洋介君を好きになってしまって……。どうやって自分の気持ちに折り合いを付けて一緒のグループにいるのか……。僕には出来ない事だと思う。
そう彼に言った時に、宮本君は苦笑いしながら
『しょうがない、惚れた弱みってやつだ。まぁ俺も諦めが悪いがな』
と、言っていた。
αの彼がβの人を好きになるのはリスクが伴う。それはやっぱりΩの誘惑に抗うのは難しいって事だ。
αとΩのフェロモンはお互いを引き合わす。番関係になっていない者同士なら尚更だ。それでも宮本君は、βの彼が良いのだ。
少しそのβの彼が羨ましいと思ってしまう。そこまで人に想われるってどんな感じなんだろう?
「何話すの?宮本って結構無表情で何考えてんのか解んね~んだけど?」
なんだか面白く無さそうに呟く洋介君の台詞に
「え?そうかな……結構喋りやすいし、表情も分かりやすいよ?」
「はぁ?」
何が洋介君の不機嫌のポイントか解らなかったが、僕がそう言い返すと途端に彼は嫌そうに疑問符を僕に投げかけ
「ハッ、何だよ?えらく宮本の肩持つじゃん?」
と、眉間に皺を寄せて言ってくる。
「イヤ……肩持つとかじゃ無くて……」
「何お前、もしかして宮本の事好きなの?」
「は?」
何をどうやったらそうなるのか。洋介君の言っている事が解らなくて困惑してしまう。
だって、僕の中では洋介君の事が好きだと言葉には出せて無いけど態度では示していたつもりだったから。
彼と距離が縮まって、一緒にこうして遊ぶようになってから洋介君の為に夕飯作ったりとか……。それに好きでも無い人と僕はキスしたりしない。それなのに……。
「何……、どうしたの?」
洋介君の意図するところが解らなくて、オズオズと聞いてみる。
「どうしたのって、何が?てか俺が今聞いてるよな?」
「だから……突然そんな事聞いて……」
部屋の雰囲気が一気に変な感じになっていく。さっきまであんなに良い感じだったのに……。何がそんなに気に入らないんだろう?
「…………ッ俺はあんな宮本の顔、見た事……」
……………?宮本君の顔?
あの時、洋介君の事で応援されてた時の彼の顔は……。
僕に対して柔らかな笑みを向けていた。
上手くいくと良いなって本当に思って言ってくれてる表情で……、その事を言ってるのかな?
「あれは……ッ」
何を洋介君が勘違いしているのか解らない。誤解は解きたいと思うけど……、でも……。
再び口籠った僕に、洋介君は僕との距離を詰めてくると
「何、もしかして宮本に口説かれてたか?」
「ち、違うよッ」
「けど、肩触られてただろ?」
「だから……あれは……ッ」
頑張れよのポンポンで……ッ!!
「チッ」
ハッキリ言わない僕に業を煮やしたのか、軽く舌打ちをした彼は僕の胸ぐらを掴みそのままグイッと自分の方に引き寄せる。その反動で僕は咄嗟に目を瞑ってしまう。
殴られるはずは無いんだろうけど、本能的にそうしてしまった僕の唇に、彼の柔らかい唇が重なり次いでは目を見開く。
「ンンッ……」
突然の行動に僕は何か言わなきゃと口を開くと、それを待っていた彼の舌がヌルリと侵入してきて、ゾクッときた淡い欲に項が粟立つ。
「フゥ……ン、ンッ……」
最近教えられた快感は、あっという間に僕を虜にしてしまうが、どうして?という疑問符が僕の腕を彼の胸板にあて、グッと離すような行動に出るとそれが気に入らなかったのか、洋介君は胸ぐらから手を離して両腕で僕をきつく抱き締める。
「ンぅッ……、ン、ぁ……」
抱き締められ近くなった洋介君から良い匂いが香って、僕の下半身がドクンッと痺れた。
……ッ、駄目……だ。気持ち、良さに……何も考え……られなく、なる……ッ。
距離を取ろうと彼の胸板にある手は、いつの間にか彼の洋服を握り締めていて……。
キスで思考が鈍くなったところで、一度洋介君は唇を離して僕の顔を見詰めると
「ハ……、エロい顔……ッ」
そう呟くと徐々に僕の方に体重をかけてくるから、僕の体は自然にカーペットの上に倒れる形になってしまう。
「ぁ……、何……ッ?」
トサリと仰向けで寝転がる態勢になった僕から一瞬彼は離れると、ソファーからクッションを下ろして僕の頭の下に敷くと
「背中、痛くねぇ?」
スリッと僕の頬を撫でながら聞かれ、答える代わりに彼の指先に頬をあてる。すると
「何、ソレ……可愛ぃ……」
そう呟いた洋介君からブワッとフェロモンが溢れて、僕は彼のフェロモンに包まれる錯覚に陥ってしまう。
「あ゛……ッな、にッ……」
強烈な甘い匂いと気持ち良さに包まれ、シビビビビッと全身が震える僕を上から見下ろしている彼は
「あ~~、堪んない……ッメッチャ良い匂いすんな……お前」
と、僕の首筋に唇を寄せる。
「ンぁ……、アッ、ンンッ」
ゆっくりと寄せた唇から舌を伸ばして、上下に僕の首筋に這わせて味わっている彼の下半身がゴリッと太腿にあたって、僕で興奮しているのだと理解すれば、僕自身も彼に煽られるように腰を浮かしてしまう。
気持ち、良い……。ただ抱き合っているだけなのに……ッ。
一度僕から離れた彼のタイミングで握り締めていた自分の手も離してしまったが、僕は再び縋るように彼の腕に手を絡める。
何かに掴まっていないと、ドロドロと溶けてしまいそうだから。
僕が洋介君の腕を掴んだ事で、彼は少し気分が上がったのかまた僕の顔に自分の顔を近付けて唇を合わせてくる。
むしゃぶりつくように合わさった唇から舌がのぞいて、僕も今度は抵抗無く彼の舌を迎え入れる。
「ふぁっ…、ンンぅ……」
上顎と歯の裏側をなぞられ、キュッと臀部に力が入る。その度にビクビクと太腿が痙攣し腰に電流が流れるように快感が広がっていく。
彼の舌から唾液が僕の口腔内へと届くと、僕は躊躇する事なくそれを嚥下する。嘘みたいだけど、甘く感じる唾液がもっと欲しくて自分から彼の舌を辿って口の中へと舌を差し入れると、僕が何が欲しいのか感じ取ったのかもっと深く洋介君と口吻を交わす。
僕がキスに夢中になっている間に、洋介君はジャージのファスナーを下まで下ろし中に着ているTシャツを捲くり上げて露になった乳首にソッと人差し指の先をあてると、快感に立ち上がっている先っぽを指先を左右に振って弄り始め
「ンンッ……、ン、ふぁっ……ア、……」
弄られた事の無かったか所を触られる気持ち良さに驚き、そこから広がる快感に脳が蕩けそうで僕の口からは無意識に甘い吐息が漏れ出る。
「乳首……気持ち良いなぁ?」
顔を上げた洋介君の目が欲情で濡れている。その目で見詰められ僕もまたズクンと腰に甘い感覚が走り腰をカクカクと無意識に上下に振ると、僕の反応にニヤリと口を歪めた彼が上半身を持ち上げ自分の太腿で僕の膝を開くとその間に体を滑り込ませると、ピンピンと弄っていた人差し指を親指に変え、両方の乳首を親指の腹で弄りながら洋介君はユックリと合わさった下半身を擦り合わせるように腰を動かし出した。
「アッ……、待っ、て……」
「待つ?なんで?」
僕の言葉を無視して更に密着するように体の中心に体重が乗るようにすると、熱のこもったお互いの下半身が擦れ合う。
僕と彼の勃ち上がったモノが布越しにグリッと重なる度に、気持ち良さにビュクリッと先端から厭らしい液が溢れるのが自分でも解って、恥ずかしさに少し待って欲しいのに洋介君も興奮して気持ち良いのか徐々に腰の動きが大きく大胆になるから……。
「アゥ…ンッ、だ……め、だよ……ッ」
「何が?……ッ、何が駄目、なんだよ?」
欲情で少し掠れた声を出す彼の言葉が耳をくすぐり、僕はハクハクと声になら無い音を口から出すと同時に両目をギュッと瞑って
「~~~~~ッッ♡♡♡」
限界を突破した僕のモノはビクビクと震え、下着の中で勢い良く精液が出る感覚に喉を仰け反らせてしまう。
「ンぅぅ~……ッ、はぁっ……♡」
射精した気持ち良さにくったりと体の力が抜け、はぁっ、はぁっ。と軽く息を整えていると
「イッたのか……?」
静かに呟く洋介君の声に、僕はトロンと瞼を持ち上げて彼に視線を向けると、そこには僕をどうにかしたいと書いてある雄の顔があって……。
その視線に射抜かれ、ゾクンッと背筋が震えると
「ハァ……、ヤバい……ッ」
言いながら洋介君は僕の穿いているジャージを下着ごとずらしていく。
ボクサーの中で吐露した液体はネチャッと音がしそうなほど僕のモノと下着の間に糸を張っていて、僕は恥ずかしさに見られまいと引き下げられるジャージを掴もうとしたが、それよりも早く彼は自分の位置をずらし、いともたやすくジャージを脚から抜き取ってしまう。
「アッ……」
ほぼ裸の状態の自分を見られているという羞恥心に体を捻り横向きになろうとするが、ポイとジャージを投げ捨てた手がそれを阻んで再び僕の脚の間に自分の体を置くと、体液で濡れた僕のモノを躊躇無く彼が触る。
「ん、……ヒァ……」
小さく悲鳴にも似た吐息が漏れると、一瞬僕の顔をチラリと見て自分の指先に粘ついた液を絡めると、ツツツ~とその指が臀部の谷間に潜り込んでくる。
「ア゛ッ……、な、に……?」
次に何をされるのか解らない怖さに僕は息を呑む。すると彼は空いている片方の手を自分の中心に移動させスウェットのウエスト部分をずらして、自分のモノを露にした。
勢い良く飛び出してきたモノは、彼が興奮しているのだと主張しているように先端が濡れ、ぬらついている。
怒張したモノを彼は見せ付けるように持つと、ニチャニチャと厭らしい音を立てながら扱き始め、僕に視線を合わせてくると
「ハッ……ハァ~、アッ……ハァッ」
快感に眉根を寄せて荒く息を吐き出す彼から僕は視線が逸らせなくなる。
目の前で繰り広げられる彼の痴態に、ゴクリと喉を鳴らしてしまい、僕も再び興奮してしまう。
血管が浮き出た竿を手の平全体で扱き上げながら先端まで持っていくと、器用に輪っかにした人差し指と親指だけで今度はカリ高の部分から鈴口まで持っていき、先端をキツ目に何度もクチクチといじめる。
そうしていると鈴口からトロリとした液体が溢れ、それをまた指に絡めるとスムーズに怒張を扱いているのだ。
……………ッ、無理、だよ。こんなの見せ付けられたら僕……、また……ッ。
気持ち良さそうな表情と息遣いに、僕の下半身もまた熱が渦巻いていく。
洋介君はそれを見逃さずに、潜り込ませた指をクチリと蕾を開くように奥へと挿入してきた。
「あ、ぁ……ッ」
すんなりと彼の指を飲み込んでいく違和感に声を上げたが、探るように中で動いていた指はある一か所を見つけると撫でるように上へクイッと指を折り曲げる。
「ヒァッ!……、アッ、ア゛~~ッ……」
折り曲げた指の腹が押し上げるように僕の内壁を押した瞬間、ビリビリとそこから全身に快感が広がり僕はビクンッと腰を跳ねさす。
「気持ち、良いな?」
……………ッ、気持ち、良い。
洋介君が言うようにそのか所を指で抉られる度に、脳が痺れるような快感が僕を包む。
「一緒にもっと気持ち良くなろうな?」
洋介君はそう言って一度扱いていたモノから手を離すと、僕の片足を掴んで両足を閉じ太腿に自分の唾液をタップリと纏わせてから一緒くたに足を肩に乗せると腕で固定してから、グッと腰を入れ太腿に自分のモノを挿し込む。
そうして再び腰を大きく振り始めた。
「エッ……、ア゛ッ?~~~~ッ♡♡」
「俺のと擦れて……ッ、気持ち良い、だろ……?」
彼の言う通りぬるついた彼のモノが、僕の裏筋から先端に擦り付けるように重なる度、僕のモノも一度出したのにムクムクと気持ち良さに硬度を増す。
少し高い位置から腰を振っているから、僕の中に入っている指もスムーズに先程のか所を愛撫していて……。
「こんな……、の……ッ♡無理ッ♡~~~ッ♡♡……すぐ、ッ、イ……ク♡♡♡」
「駄~目だって……ッ、も、少し我慢……、なッ?」
「ハッ……、らって……こんなッ♡……こんな……ッ♡♡」
洋介君のチンポ、と擦り合わせてる……だけでも……ッ気持ち、良いのッに……♡♡僕、……お尻、初めて……なのに♡♡♡
「あ~~……ッ中、キュンキュンしてるし……ッ、エッロ……」
中で指がトントンと叩かれる度に、快感でキュゥゥッと指を締めてしまう。
「指……、増やして、やるな?」
言いながら洋介君の指がもう一本増えると、少し圧迫感はあるもののそれに勝る快感は強くなって、僕は腰を捩る。
「ア゛……だ、め……ッ♡♡強いのッ……♡」
「お前が……自分から、腰振ってんの……」
「ンぅッ♡♡ッ、持ち……良い♡気持ち……良い~ッ♡♡」
「ハッ……やべ~、保た、ね……ッ」
呟いてすぐに洋介君が追い上げるように、腰を振り出し、中に入れている指が両側からプリッとしたシコリをギュッと挟み込んだ瞬間、脳が焼き切れるほどの快感に僕はビクンッと一度大きく腰を突き出し背筋をしならせる。
「グァ……ッ、イ、クッ……!」
「~~~~~♡♡♡♡♡」
僕が堪えられずに二度目の白濁を吐き出してすぐに、洋介君も僕のお腹に精液をかける。その生温かい感触を感じて僕は糸が切れてしまった。
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