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第9話 R18

 「はぁッ……ア、……ンンッ……そこ、ばっか……ッ」  「気持ち良いって……離してくんねぇのは昴の、方だけど……ッ?」  日が傾いた部屋のカーテンは閉めた。薄っすらと今日の残り火が部屋の中を淡く暗く照らしている中、僕と洋介君は二人でベッドに横になりながら荒い息を吐き出している。  洋介君が僕の体を開く為に買ったジェルで、内壁を擦られ僕は甘い喘ぎを止められない。  もうすんなりと彼の指が二本入るくらいに慣らされた体は、貪欲にもっと触って欲しいと彼にアピールしている。  内壁を擦られながら、乳首も触って欲しくて強請るように胸を突き出した僕に、洋介君は自分の片手を滑らせてプックリと突き出た乳首に指先をあてがうとスリスリと触るか触らないかのソフトタッチで先端を愛撫する。  「ウゥン……ンッ、……ヤ、ダ……ッ」  もっと強く弄って欲しくてむずかるように背中をしならせると、片手を目一杯開き両方の乳首を指の腹でスリスリと左右に揺らして触ってくれる。  「ンぁッ……、気持ち、良い……」  「こっちも気持ち良くなろうな?」  言いながら彼は内壁に収めた指を前立腺にあてるように鉤状に曲げると、グニィと上に押し潰すように力を入れ、トントンと叩く。  「ア゛ッ、~~~♡♡ソ、コ……ッ♡」  叩かれる度にビクビクと腰が浮き上がり、中に入っている指を締め付ける。そうする事で内壁が指を押して更に前立腺に押し付けるような形になり、ずっと気持ち良いが続く。  「あ~~……自分で腰振って、エロ……ッ」  彼の下で痴態を見られている。  薄っすらと閉じた目を開くと、目の前にジッと僕を見詰める雄の顔があり、その顔をさせているのが自分なのだと思うと、ゾクゾクッと腰から背筋に快感が走って腹筋がビクビクと痙攣してしまう。  「ん?イキそう?」  それを見逃さずに面白そうに聞いてくる彼に、コクコクと首を上下に振ると、乳首を愛撫していた手がツ~~と下におりて、勃ち上がり気持ち良さに泣いているモノの先端に絡み付く。  「ンッ、ィ~~ッ♡♡今、……触った、らッ♡」  「ハッ……、ケド、イキたそうに……パクパクしてっけど?」  きつめに作った輪っかで、カリから先端にかけて扱き上げられ、時折鈴口に爪を立てられる。  先走りでぬめった鈴口を爪で苛められ、僕は堪らずに腰を突き上げて射精してしまう。  「ア゛ッ、ア゛~~~♡♡♡」  白濁を自分の腹の上に吐露している最中でさえ、前立腺と先端を愛撫され長く快感から逃れられない。  「はぁ、ァ~♡、イッた……ッ、イッ……から……ッ♡♡」  「中でも、イケるだろ?」  僕のモノから手を離してくれた彼だが、孔の中に入っている指は抜いてくれず、トントンと叩くように押して愛撫していた指が、プックリと膨らんだ前立腺を、曲げた指先でカリカリと撫でるようにする。  そうして中に入っていない親指で会陰を押すようにすると、中に入っている指が動く度に連動して親指も内側にググッと動く形になり、中と外から挟むように愛撫され僕は臀部を持ち上げガクガクと大きく痙攣する。  「ヒッ、ア゛……、~~~ッ♡♡♡、イ゛ッグゥ……ッ♡イ゛……ッギュッ、ウゥ~♡♡」  痙攣しながら内壁を絞って中でイッてしまうと  「上手にイッてるな……」  言いながら洋介君が僕の側まで上半身を近付けて、唇にキスを落とす。僕は無意識に舌を伸ばして彼の唇を何度も舐めると、それに呼応してくれるように僕の舌を彼が迎い入れてくれる。  クチュクチュと音を立て、甘い唾液を交換しながらゆっくりと指を引き抜かれる感覚に、名残惜しそうに内壁が収縮しまたイッてしまう。  「ンぁ……、フゥ……ッン……」  指が完全に引き抜かれると、余韻に内腿がビクビクと痙攣していて、それを確かめる為に触られた手の平の感覚にまた感じてしまう。  ちゅっぱッと離れた唇を追い掛けるように舌を伸ばすが、一度チュッと唇で舌を吸われて  「気持ち良かった?」  耳元で囁かれコクリと頷き、けどまだ欲しくて……。  顔を覗き込むように顔を上げた洋介君の表情が、僕を見て眩しそうに細められる。  「めっちゃ蕩けた顔になったな?」  ハハッ。と笑った直後、ブワリッと広がった彼のフェロモンに僕はハクハクと口を動かして舌を伸ばし、喉を仰け反らせてしまう。  「ぁ………ッ悪ぃ……、俺も興奮で……タガが外れそうだわ……ッ」  「………ッ、しい……、♡洋介、君のッ♡♡」  彼のフェロモンに包まれて、自分が何を呟いているのかも解らなくなる。だけど、それが本当に自分の欲しいモノだと解るから……。   「ッ……、お前……俺も結構ッ、お前のフェロモンに……ッ耐えてん、だからなッ」  クソッ。と悪態を吐きながら僕から離れると、枕の側に置いていたスキンを手に取って包装を破り自分のガチガチに勃ち上がってるモノに装着する。  そうしてスキンの側にあったジェルをモノに垂らすと、自分で扱いてジェルをまんべんなくスキンにまとわり付かせる。  「イヤ……見過ぎ……ッ」  フハッと笑った彼の目に、物欲しそうに見ている自分の顔があって、こんな表情を彼に見られているのだと少し恥ずかしくなるが、広がった脚の間に入っていた彼の中心が僕の孔にヒタリとあたって、期待にゴクリと喉が鳴る。  ニチャニチャと何度か孔を怒張で擦れてから、ニュククッとゆっくり先端が孔の襞を掻き分けて侵入してくる。  「ア゛、ァ゛~~~~♡♡♡ッ」  中を彼のモノで満たされる充足感に、細く長い喘ぎが漏れ出る。  「ッ、ァ~~~、……何、お前の中……ッメッチャ、気持ち良いッ……」  本当に気持ち良さ気に掠れた声で喘ぐ洋介君に、僕もまた感じてしまう。  洋介君はゆっくりと挿入した後、しばらく馴染むまで動かないでいてくれているが、僕の内壁はキュンキュンと彼の怒張に絡み付き、勝手に自分の良い所を中に入っているカリ首で押しあてユルユルと腰を動かし擦り付ける。  何度かそれを繰り返していると、僕の為に我慢してくれていた洋介君が両手を僕の腰にあてがいしっかり掴むと  「お前なぁ~……ッ、人が折角我慢してやってんのにッ!!」  バチュンッ!!  「ギャッ♡♡♡~~~ッンぅぅッ、………ァ、ア゛~~~ッ♡♡♡」  突然奥まで一気に突き立てられ、脳がビリビリと震えるほどの快感に一瞬体中が硬直する。次いでブルブルと快感を逃す為に痙攣しクタッと力が抜けるが、しっかりと持たれ浮き上がった腰に容赦無く彼が律動を叩き付け始めた。  「ア゛ッ、ン、……ッ、グゥッ♡♡……~~~♡♡♡ぎ、持ち……、イ゛ッ♡♡♡お゛ッ……グゥッ♡ァ゛、……ダメ゛ッ♡~~~ッ、グッ、……イ゛グッ♡♡」  腰が浮いた状態で胸を突き出すように背中を仰け反らせれば、更に腰が浮いて竿で膨れた前立腺を擦られる形になる。  奥をカリ首で抉られ、前立腺を竿で擦られる気持ち良さに僕は扱いてもいない自分のモノから精液を撒き散らす。  射精感に体に力が入ると、内壁が洋介君のモノを搾り取るようにギュウゥッと震えると  「グゥッ、……ハッ、ァ、イクッ、イクッ、イクッ、~~~~~ッ!」  くぐもった喘ぎと共に、中に入っているモノがグアッと一瞬大きくなり、次いではビュッ、ビュッ~~、とスキンに射精されるが、出ている感覚を内壁で感じて、僕はまた緩く腰を動かしてしまう……。  「ハッ……ヤッバ、……ッまだ抱きたい……」  小さく呟いた彼の目が、まだ欲情を灯していて、僕もまたその目に煽られるように彼に舌を伸ばす。           ◇  遠くでスマホのアラームが鳴っている気がするが、瞼を持ち上げるのも億劫だ。  結局昨夜洋介君と何回したのかなんて覚えて無いし、薄っすらとした記憶ではカーテン越しに外が白んでいたような気もするが……。  イヤ、きっと気のせいだろう。  お尻にはまだ彼のモノが入っている感覚がある。  ………………。起きれるかな?  一抹の不安が僕を包むが、体中が怠くて起き上がれないのが事実だ。  でも………………、お腹も空いてるんだよな。  昨日の夜は何も食べずに事を致してしまったから、お腹と背中がくっつきそうだ。  「オイ、起きれるか?」  カチャカチャとした音と共に、洋介君の声が聞こえて僕はゆっくりと目を開く。  「おはよう」  目を開けた僕を見て、彼は柔らかい笑みを投げかけてくれる。  「おはよう……」  僕も挨拶を返すが、カッスカスの音しか出ない事に驚き、昨夜の事を思い出して恥ずかしくなる。  「台所勝手に使わせてもらって飯作ってきたから一緒に食おうぜ?」  ベッド横のチェストから良い匂いが漂ってきて僕の鼻孔をくすぐり、グゥ~~。とお腹が鳴る。  「ハッ……、ほら頑張って起き上がれ」  洋介君は笑いながら僕の両手を引っ張って起き上がらせると、ベッドヘッドへ枕と床に転がっているクッションを挟みそこにゆっくりと僕の背中がくるように倒してくれる。  そうしてお盆の上に乗った料理が僕の膝の上にくると  「紅茶に蜂蜜入れたから、飲めよ」  と、甲斐甲斐しく世話をしてくれる。  「蜂蜜?キッチンにあった?」  「んや、隣のコンビニ行ったから」  「あぁ……」  ………………、でも鍵。  フト止まって考えている僕の事が解ったのか、洋介君は  「昨日お前が俺に渡した鍵使ったから」  と、言ってジャラッと鍵が付いたキーホルダーを見せてくれる。  それは洋介君が使っているキーホルダーで、その中に当たり前のように僕の家の鍵が揺れていて……。  「くれるんで、良いんだよな?」  有無も言わさない物言いに、僕はハハッ。と笑うと  「洋介君の家の鍵も、またくれる?」  呟いた僕に、優しい笑顔のまま彼の唇が落ちてきて、チュッと音を立てると  「よし、じゃぁ俺特製の朝飯食べようぜ?」  笑顔のまま彼はフォークを手に持つ。  僕は蜂蜜が入った紅茶を一口飲んで  「ん、美味しいね」  優しい味に、再び笑顔が溢れる。 おしまい。

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